FIA-F3選手権に参戦するメルセデス子会社のHWAレースラボ
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F1へと連なるメルセデスの若手育成プログラムが完成…HWAがアーデンに代わってF2選手権に参戦

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HWAレースラボがアーデンに代わって2020年シーズンのFIA-F2選手権に参戦する事が決定した。メルセデス傘下のHWAは、アーデンのエントリー権、マシン、装備一式を購入し、来シーズンよりF2チームのオペレーションを担当。F1へと連なるメルセデスの若手育成プログラムが完成する事となった。

HWAは、今年シーズンよりFIA-F3選手権へと参戦し、初めてジュニアシングルシーターへの進出を果たした。FIA国際自動車連盟は、F1を頂点とするヒエラルキーの強化を推し進めており、HWAのFIA-F2選手権参戦によってメルセデスは、その権力構造の主要ジュニアシリーズの全てに手駒を置く事となる。

HWAのF2参戦によってメルセデスは、FIAヒエラルキーの中での政治力を増すだけでなく、ドライバー育成プログラムを強化し、F1あるいはフォーミュラEで活躍する将来のチャンピオン候補を効率的に育成・囲い込む事が可能となる。HWAは、2019/20年シーズンのフォーミュラEにワークス参戦を果たすメルセデスチームの運営を担当している。

HWAのウルリッヒ・フリッツCEOは「F3チャンピオンシップへの関与に続いて、我々はFIAのフォーミュラピラミッドの上位シリーズと参加する。これによって、才能あるモータースポーツ界の若手を継続的に育成する事が可能となった」と述べた。

アーデンはこれまで、F1の下位カテゴリであるF2(旧GP2)やF3(旧GP3)に一貫して参戦し続け、ヘイキ・コバライネンやセバスチャン・ブエミ、ブルーノ・セナやジョリオン・パーマーといったF1ドライバーを輩出してきたが、2019年を以て、一旦その活動を休止する事になる。

レッドブル・レーシングのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーの実父であり、クリスチャンと共にアーデンを設立したギャリー・ホーナーは、F2復帰の可能性を認めつつも「アーデンは20年以上に渡って、F1へのベストな登竜門であるこのシリーズで成功を収めてきたが、他の道のりを検討するために、一旦このカテゴリから離れることを決定した」と語った。