セバスチャン・ベッテル、ルクレールとチームに不信感「約束と違う」
セバスチャン・ベッテルはモンツァでの予選を4番手で終えた後、チームとシャルル・ルクレールの双方が、事前に決めていたプランに従わなかったとして、あからさまに不満を示した。
「正直言って、、、わけ分かんないよ」とベッテル。時折意味深な笑顔を見せ、頭を横に振りながら答えた。「プランについては事前に話し合ったつもりだったんだけど…。チームから予選での計画を聞かされていたんだ。予選の最後に何が起こるかは明白だったのに、どういうわけかプランを実行に移さなかった。ああなる事は正確に予測出来ていたのにだよ」
レッドブル・ホンダのアレックス・アルボンが「コンマ2・3秒」と語るように、モンツァはスリップストリームによるゲインが大きい。Q3の最初のアタックではベッテルがルクレールを牽引。結果としてルクレールは、この時のタイムでキャリア4度目のポールポジションを獲得した。
ベッテルとルクレールとのギャップは0.150秒。仮にベッテルがトウを得ていれば、モンツァの予選は異なる結果になっていた可能性がある。
最終アタックでは役割を交代し、ルクレールがベッテルの前で走る予定であったが、実際にルクレールが任務を全うする事はなかった。最後のアタックのアウトラップでは、誰もが隊列を先導する事を嫌がり大渋滞が発生。ベッテルはアタックをスタートすることすら叶わなかった。
スリップが得られない以上は自己ベストを更新する事は難しいため、ベッテルは、ルクレールが周りに合わせて走らずに、早々に隊列の先頭に出るべきだったと考えているようだ。ルクレールはスローダウンしたフィールドから出ようとはせず、ラップの大半をベッテルの後ろで走行していた。
「その結果がこのザマさ。何しろ走ることさえ出来なかったんだからね。ハッピーなわけないさ」とベッテル。「でもチームとして良い結果なのは間違いないよ。だってここはイタリアなんだから。それは大事なことさ」
「でもさっき言った通り完全には滿足してない。事前にちゃんと話し合っていたんだから」
メルセデスのルイス・ハミルトンは予選後、ルクレールに確実にポールを獲らせるために、フェラーリが意図的に集団内を走るよう指示していたのではと仄めかした。だがベッテルは、少なくとも自分はそのような魂胆に加担していないと主張した。
「みんながスローダウンし、シャルルもスローダウンして、結局僕はラインを通過できなかったし、トウも得られなかった。良い結果なわけがない」
「クルマには満足してるよ。予選も良かったしマシンも本当に良かったけど、ラップが悪かった。僕はトウを得られず、それが今日のポールを左右する要因になったんだ」
ベッテルは予選中に”不必要にコース外を走行した”との嫌疑がかけられていたものの、レーススチュワードはお咎めなしの裁定を下した。その結果、ベッテルの予選4番手が確定。それと同時に、対チームメイト予選成績での今季7敗目が決定した。