ルノーのダニエル・リカルドとレッドブル・ホンダのピエール・ガスリー
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フェルスタッペン相手に大差で遅れるガスリー「予想外の展開」とダニエル・リカルド

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ダニエル・リカルドは、自身の後任として今年レッドブル・ホンダに加わったピエール・ガスリーが、これほどまでの大差でマックス・フェルスタッペンに遅れを取る事になろうとは、思ってもみなかったようだ。

リカルドは、昨年までの3シーズンに渡ってフェルスタッペンとタッグを組んでいたが、今年ルノーへと電撃移籍。トロロッソ・ホンダでの英雄的活躍を認められたガスリーが、リカルドの代わりにレッドブルへと昇格した。

リカルド自身は昨年、フェルスタッペンと遜色ない速さを示していた。昨年の予選成績を紐解くと、フェルスタッペンは平均6.76番手、対するリカルドは平均7.33番手。結果として敗れはしたものの、リカルドは拮抗したパフォーマンスを残している。

だが、ガスリーとフェルスタッペンとのギャップは著しく大きい。フェルスタッペンが平均4.17番手であるのに対して、ガスリーは7.73番手。今季前半12レースを終えて、ガスリーが予選でフェルスタッペンを破ったのは一度しかない。

それも、真っ向勝負で打ち勝ったわけではなかった。6月に行われた第7戦カナダGP予選でフェルスタッペンは、ケビン・マグヌッセン(ハース)のクラッシュによる赤旗の餌食となり、フィニッシュライン到達前に計測を断念。ガスリーが5番手につけた一方で、11番手に終わった。

一発の速さもさる事ながら、レースリザルトでも大きな差がついている。フェルスタッペンは、2度の優勝を含む計5回の表彰台獲得によって181ポイントを獲得。ドライバー選手権でフェラーリの二人を上回り、2位につけるバルテリ・ボッタスを射程に捕らえているが、これとは対象的に、ガスリーは僅か63ポイントの6位。後ろからは、マクラーレンのカルロス・サインツが5ポイント差で迫っている。

クリスチャン・ホーナー代表は、シーズン末までのシートを保証するとしているものの「格下チームと競い合っている場合ではない」とガスリーを一喝。いまだ途中降板の噂が絶えない。

リカルドは、両者のギャップが著しく開いている事について「予想外だった」と述べ、勝つには至らないまでも、ガスリーがフェルスタッペンに肉薄すると考えていた、と打ち明けた。

「レッドブルはマックスに満足し、彼がハンガリーGPで初のポールポジションを獲得した事を喜んでいるけど、その一方でピエールはマックスから遠く離れており、厳しい状況に置かれている。チームとしては、もっと多くのポイントを獲得できたはずだ、って考えているだろうね」

「今のピエールに何が起きているのは僕には分からない。彼は昨年、トロロッソ・ホンダで大きな結果を残してきた。レッドブルと比べて明らかに劣るクルマに乗っていたにもかかわらずね」

「僕は、チームメイトとしてのマックスが、どれほどタフかを知っている。ピエールがいきなり彼を打ち負かすとも思ってなかったし、マックスが彼を上回っている事についても驚いちゃいないけど、そのギャップには驚いたよ」