2018-2019年スーパーシーズンWEC世界耐久選手権 第7戦スパ・フランコルシャン6時間レースの決勝レースが5月4日(土)に行われ、TOYOTA GAZOO RacingのTS050 HYBRID 8号車が、2位レベリオン3号車と3位SMPレーシング11号車に1周差をつけて勝利。最終ル・マン24時間レースを前に、トヨタが2014年以来2度目となるWECのチームタイトルを獲得した。

セバスチャン・ブエミ、中嶋一貴、フェルナンド・アロンソの3名がドライブする8号車は、今季開幕スパから数えて通算4勝目を挙げ、ドライバーズポイントでの2位との差を31ポイントに拡大した。マイク・コンウェイ、小林可夢偉、ホセ・マリア・ロペスの7号車は、ファステストラップを記録するなど前半戦を支配するも、センサートラブルに見舞われ11分をロス。4周遅れの最終6位でチェッカーフラッグを受けた。

「激変する天候に加えて、いくつかの問題が発生した前半は浮き沈みが激しく、本当に難しいレースだった」とフェルナンド・アロンソ。「とは言え、チームチャンピオンを決めることが今日の最大の目的だったし、見事タイトルを獲得できて本当に嬉しい。今シーズンのここまでの結果は素晴らしい内容だが、最終戦のル・マン連覇とドライバータイトル獲得に向けて全力を尽くしたい」

レースは、スタート直後に激しい雪に見舞われるWEC史上初のコンディションの中でスタート。約30分後にセーフティカーが導入された。導入から25分ほどで空に青空が戻りレース再開。7号車のコンウェイは、2番手レベリオン3号車を従えて首位を走行をキープした。8号車のブエミはピットストップでタイムロス。順位を落としたが、すぐに2位へと返り咲き19周目に首位を奪った。

最初のドラマは2度目のセーフティカー。8号車ブエミは、ピットレーン開放前の給油ピットインを強いられ、レギュレーションの定めに従い5秒間の給油のみを行った。7号車コンウェイは、最初のスティントで燃料をセーブ。ピットロード開放後に予定通りピットへと入り、給油と共にスリックタイヤへと交換。8号車は燃料をフルに入れるために再度のピットインを余儀なくされ、10番手へとポジションを落とした。

レース折り返しとなる3時間が経過したところで、明暗を分ける事件が発生。2位に50秒近い差をつけて首位を走行していた7号車の小林可夢偉が、センサートラブルに見舞われ緊急ピットイン。4周遅れの19番手にまで大きく後退した。

「勝てるクルマでしたし、技術的な問題が起こるまでは全てが上手くいっていたので、大変もどかしいレースになってしまいました」と小林可夢偉。「レースでは起こりうることですが、今シーズンはここまで何の問題も起きていませんでしたので残念です」

「挽回するために最善を尽くし良いパフォーマンスを示しましたが、これだけの時間を失ってしまった後では、表彰台に上がるチャンスは実質失われていました」

優勝を飾った8号車のブエミは、本来であればトップチェッカーを受けていたのは7号車だと強調した。

「もちろん優勝は嬉しい」とブエミ。「今日の7号車の速さには全く追いつけなかったので、本来ならこのような結果にはならなかったはずだ。トップを走りながらもトラブルが発生してしまった7号車は本当に残念だ」

「一方の僕らは序盤に不運と無線不具合に見舞われた。しかしながら、最終的にチームチャンピオンを獲得出来て嬉しい。ドライバーポイントのマージンを広げて最終ル・マンに臨む事になるが、タイトル獲得の保証は何もない。正々堂々とレースを戦うつもりだ」

終盤には再び降雪。2台のTS050 HYBRIDは揃ってウェットタイヤへと交換。残り2時間の時点では雹を伴う激しい嵐となり、再び25分間に渡ってセーフティカーが導入された。 その後、悪天候によって赤旗が降られ、レースは数分早く終了することとなった。

トヨタは輝かしいシーズンの有終の美を飾るべく、6月15日から16日にかけて行われるシーズン最終戦ル・マン24時間レースへと向かう。

WECスパ6時間 LMP1決勝結果