メルセデス、ホンダのエンジン性能を警戒「大きな脅威」フェルスタッペンのタイトル争いを予想
メルセデスAMGのモータースポーツ責任者を務めるトト・ウォルフが、ホンダ製F1パワーユニットの性能に警戒感を示した。シーズン開幕戦を終えたウォルフは、今季レッドブル・ホンダは「大きな脅威だ」との認識を示し、ホンダのパフォーマンスが本物であれば、マックス・フェルスタッペンはタイトル争いの本命の一人になると語った。
「フェルスタッペンがベッテルをターン3でオーバーテイク出来たところを見れば、ホンダが素晴らしいエンジンパワーを発揮していた事が分かる」とトト・ウォルフ。フェルスタッペンの地元オランダメディアからの質問にこのように答えた。
メルボルンでのレース31周目、ホームストレートで前走のセバスチャン・ベッテルに並びかけたフェルスタッペンは、ターン2でベッテルのイン側後方を確保しロックオン。続くDRSゾーンでリアウィング・フラップを開き、ターン3のアウト側から豪快にオーバーテイクした。
アルバート・パーク・サーキットのコースレイアウト
確かに、ミディアムタイヤを履いたベッテルの第二スティントは極めて遅く、同じコンパウンドを履いたトロロッソ・ホンダのダニール・クビアトに劣る程であった。また、レギュレーション変更によってDRSの開口部は昨年より20mm拡大。その効果は約25%向上しているとされ、その恩恵も大きいと言える。
だがトト・ウォルフは、約525m程しかないこの区間で追い抜きを記録したのはフェルスタッペン以外にはおらず、DRSやシャシーではなくエンジンパワーの賜物だと語る。
「彼らの他にそんな事ができたクルマは1台もいなかった。ホンダの力によるところが大きいと言える。ホンダがレッドブルと共にトップ争いにカムバックしたことは喜ばしい。彼らは我々の大きな脅威だ」
終盤には、ディフェンディング・チャンピオンのルイス・ハミルトンへと襲いかかるなど、レースを通して印象的な走りを見せたフェルスタッペン。キャリアを通して初めてオーストラリアの表彰台に上がった。ホンダにとってはハイブリッド・ターボ時代復帰後初のポディウム。マクラーレン共闘時代の汚名を払拭し、開発の成果を見せつけた。
トト・ウォルフは、レッドブル・ホンダが第2戦以降もこの水準の競争力が発揮する事になれば、今シーズンはセバスチャン・ベッテルが持つ「23歳134日」という最年少チャンピオン記録が更新される可能性があると考えている。
「もしホンダがこのレベルのパフォーマンスを全てのレースで発揮するようであれば、マックス・フェルスタッペンは間違いなくタイトルコンテンダーだ。我々は彼らを今シーズンのライバルとみなさなければならない」
「ホンダはトップに返り咲くに相応しい」