ルクレール、跳ね馬移籍に気負いなし…即時解雇も覚悟と豪語「重圧は皆無。”全く”ない」
次世代のスーパースター候補と目されるシャルル・ルクレールは、フェラーリ昇格を果たす来シーズンに十分な活躍が出来なければ、一年限りで解雇されてもやむを得ないと考えており、チームメイトとなる4度のF1ワールドチャンピオン、セバスチャン・ベッテルに打ち勝ち、ナンバーワンドライバーの座を本気で手に入れる覚悟のようだ。
ドライバーマーケットが大きくシャッフルされた来シーズンの一番の注目は、非力なザウバーでポイント獲得を重ね、参戦半年足らずで跳ね馬への移籍を確定させたモナコ出身の天才、ルクレールを置いて他にないだろう。ルクレールは1961年のイタリアGPでフェラーリデビューを飾ったリカルド・ロドリゲス(19歳208日)に次ぐ21歳という若さでマラネロのチームに合流する。
プレッシャーは”全く”無い。即時解雇も覚悟の上
勝つことを宿命付けられたスクーデリア。チームメイトはワールドチャンピオン。極限のプレッシャーがかかっても不思議はないシチュエーションだが、二十歳そこそこの若者は「ナーバスになってるかって?全然」と答えてみせた。気負いは皆無だ。
「僕は神経質な人間じゃない。確かにこのスポーツには緊張があるし、レースをスタートしてしまえばアドレナリンが吹き出す。でも、僕はそれをナーバスとは言わない」とルクレール。
「僕は全くプレッシャーを感じないんだ。そういうメンタリティーの人間なんだよね。皆が”フェラーリの重圧は桁違いだ”って言うけれど、どんなプレッシャーでも受け止められると思う。そういうタイプなんだ」
「期待されてるのは知ってるけど、それを深く考えたりはしない。僕としては自分自身の事に集中してトラック上で最高のパフォーマンスを示す事だけだけらね」
もし仮にチームからの期待に添えない場合には?ルクレールは即時解雇も覚悟の上だと付け加える。
「僕は神経質でないと同時にとても正直なんだ。もし来年十分な結果を出せなければ、フェラーリから解雇されるだろうね。そりゃそうさ。十分に納得できる事だよ。僕はそんな風に考えている」
「もし素晴らしい成果を上げられれば、フェラーリに留まるに相応しいと思う。そうでなければクビを言い渡されたって仕方ないよ。そうなれば肩にのしかかる重圧からも開放されるだろうけどね」
ベッテルとは対等、セカンドドライバーになるつもりはない
フェラーリは伝統的に、タイトル獲得のチャンスを最大化するためにドライバー間の序列を明確化する文化がある。過去にはルーベンス・バリチェロが、別の時代にはエディー・アーバインが自身の身を挺してミハエル・シューマッハをサポートするよう指示された。いわゆるナンバーワンドライバー制度だ。
だがルクレールは、契約書にはベッテルとのバトルを禁止するような条項はなく待遇は同等だと明かし、セカンドドライバーになるつもりはないと主張する。あくまでも狙うはF1ワールドチャンピオンという事だ。
「どんなチームでも同じだと思うけど、同じ立場でシーズンをスタートしても、ある時点でどちらかがチャンピオンシップを賭けて戦い、もう一人はそこからこぼれ落ちるものだよね」
「セカンドドライバーがファーストドライバーをサポートするのは当たり前の事だと思ってるし、そういう心づもりでいる。もし僕がセカンドドライバーの立場になったとすれば、タイトルの可能性はないからね」
「でも、僕はセカンドドライバーになるためにフェラーリに移籍するつもりはない」
“本物”はトラック外でも大物。第一線をひた走り、トップを掴み取ろうとする人物のメンタリティーは、我々凡人とは異なり格が違うようだ。ベッテル相手にどこまでやれるのか?2019シーズンが本当に楽しみでならない。