F1イタリアGP:FIA国際自連、モンツァ・サーキットのDRSゾーンを延長。オーバーテイク促進狙う
FIA国際自動車連盟はオーバーテイク促進を目的として、カレンダー最速のコースとして知られる2018年F1イタリアGPの舞台モンツァ・サーキットの第二DRSゾーンを延長する。
DRSシステムは、走行中のマシンのリアウイングの角度を可動させ空気抵抗を削減することで、トップスピードの向上を図るための仕組み。DRS検出ポイントで前走車の1秒以内に接近している場合に使用が許可される。
第二DRS区間はフィニッシュラインの115m先からターン1までの間に設置され、DRS検出ポイントはターン11、通称パラボリカの20m手前に設置される。第一DRS区間は”レズモ”の愛称で親しまれるターン7の170m先からアスカリ・シケインにかけて設けられる。
昨年のイタリアGPで計測されたオーバーテイクは21回。その内16回はDRSを使用した追い抜きであった。モンツァのコーナー数は僅かに11。コース上でのオーバーテイクはモナコ以上に困難とさえ言われている。
FIAはこの他に、ターン6・7・10の出口にダブル縁石を設置。ラップタイム向上を狙って必要以上にコース外側を使おうとすると、フロアなどにダメージを負う可能性がある。
幅広タイヤなどが導入された2017年以降、F1マシン後方に発生する乱気流が増加。これが一因となり、後続車はコーナリング中に前走車に近づくことが出来ず、コース上での追い抜きが困難となっている。
F1はこの問題に対処すべく今季開幕オーストラリア、第7戦カナダ、第9戦オーストリア、第10戦イギリス、第11戦ドイツの各グランプリでDRSゾーンを追加。第2戦バーレーンGPではDRS区間を延長する新たな試みを実施している。
根本的な改善は2021年以降になると見込まれているが、DRSの効果を向上させるために、来季はフロントウイングが簡素化されるなどして、マシンの複雑なエアロパーツを禁止する事が決定している。