フォース・インディアF1チーム
Courtesy Of Force India

財政難が報じられたフォース・インディアF1にチーム解体の危機…破産手続き開始が決定

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F1ハンガリーGPが行われる中、フォース・インディアの破産手続きが開始されたようだ。ロンドン高等裁判所は7月27日、債権者からの申し立てを受けてフォース・インディアF1チームの破産管財人を任命。チーム副代表のボブ・ファンリーが英BBCに対して認めた。

買収話で度々名前の浮上していたエナジー飲料会社の英リッチーエナジー社は、高裁の決定を前に破産手続き開始決定を避けるべく、フォース・インディアに3000万ポンド、日本円にして43億6000万円の現金注入を行ったが、その試みは失敗と終わった。

リッチーエナジーのスポークスマンによれば、申し立てを行った債権者というのはメルセデスAMG、セルジオ・ペレス及びペレスのマネージャーを務めるジュリアン・ジャコビ、そしてフォース・インディアのスポンサーを務めるBWT社の4者だという。

フォース・インディアはパワーユニット一式を供給するダイムラー/メルセデスに対して900万ポンド、日本円にして約13億円の負債を抱えており、セルジオ・ペレスはチームに対して300万ポンド、日本円にして約4億3600万円の支払いを要求しているようだ。恐らくは、債務不履行に陥った事によるスポンサー支払い分の返還請求の類と考えられる。

多額の負債を抱える事になった原因は、チーム創設者兼共同オーナーのビジェイ・マリヤにあるとされる。マリヤはキングフィッシャー航空に対する10億ドル、日本円にして約1111億円にも上る詐欺容疑がかけられており、インド当局から指名手配を受けている。

ハンガリーGP初日前日の木曜記者会見に出席したペレスは、チームの財務状況は”危機的”であると語り、自身が来季も残留するかどうかは不透明だとの見解を示していた。シルバーストン近郊に本拠地を置く中堅の雄フォース・インディアは、今季11戦を終えてコンストラクター5位と安定的な速さを見せているものの、債務状況の悪化が度々紙面を賑わせており、F1を所有する米リバティ・メディア社からも資金を借り受けていたと噂される。

資金面を除けばフォース・インディアには堅実な成績を残せるだけのリソースがあり、BWT、リッチエナジー、あるいはウィリアムズの正ドライバーを務めるランス・ストロールの父ローレンスの名が買収候補として浮上していたが、買収話がまとまる前に、手続開始へと至る事となった。

破産手続の開始が決定したことで、裁判所に選任された破産管財人はフォース・インディアの財産を換価処分。それによって得られた金銭が債権者への弁済に充てられる事となる。ただし、事業譲渡が行われるなどしてチームが存続する可能性は残されており、今後の展開に注目が集まる。なお、ハンガリーGPへの参戦は継続するようだ。

法的な倒産手続きに入ることで、企業の信用力は低下し人材が流出する面はあるものの、買収を検討している第三者にとっては安価で買収することが可能となる。COOを務めるオットマー・サフナウアーは先日、仮にチームの破産手続きが開始されたとしても生き残れる事を信じていると述べていた。

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