ピエール・ガスリーのマシンをガレージに戻すトロロッソ・ホンダのスタッフ達、2018年F1オーストリアGP
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トロロッソ、1台に空力アップデートを投入「タイム向上を確認」FP3以降は2台に搭載

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スクーデリア・トロロッソのチーフ・レースエンジニアを務めるジョナサン・エドルズは、29日のF1オーストリアGP初日フリー走行に、新しい空力アップデートを投入していた事を明らかにした。確認できる範囲では、STR13のフロントウイングのエンドプレート周りが一新されている。

新しいエアロはブレンドン・ハートレーのマシンにのみに搭載され、設計通りに機能しているかどうかの評価が行われた。エドルズによれば、アップグレードによってタイムの向上が確認できたため、土曜以降のセッションではピエール・ガスリーのマシンにも同じものを搭載する予定だという。

トロロッソ・ホンダ勢は、午前のFP1でガスリーが10番手タイムと好発進を決め、続く午後のFP2では更にポジションを上げ9番手を記録。その一方でアップグレードを使ったハートレーは、FP1で19番手、FP2で17番手と奮わずガスリーと比べて見劣りする結果に終わっている。両者のタイム差はFP2で0.574秒にまで拡大しており、同じエアロで走る事になるFP3でのタイムに注目が集まる。

F1オーストリアGP初日を終えて

ジョナサン・エドルズチーフ・レースエンジニア

オーストリアGPはレッドブルのホームであり、F1カレンダーにおける最高のイベントだ。初日の天気に関しては色々な予想が飛び交っていたよ。我々は両セッションとも雨が降るんじゃないかと考えていたんだが、結局FP1もFP2もドライコンディションに恵まれた。ここは1周が短いから、セッションでは一息つくような暇がなく、かなり慌ただしい。それに、ここは非常にテクニカルなコースだから、ドライバー達にできる限り多く走ってもらう事が大切だ。

今日はブレンドンのマシンに新しい空力パッケージを投入してみた。風洞やCFDの結果と比較できるように、FP1では様々なパーツの組み合わせを試した。データ分析の結果、パッケージが予想通りの挙動を示していてゲインが確認できたから、明日のFP3以降は2台のマシンに搭載するつもりだ。ピエールの方は、最初のセッションでメカニカルセットアップの作業に集中的に取り組んだ。タイヤの挙動がある程度理解できたので、FP2に向けて良い方向性を得る事が出来たよ。

このコースはマシンに厳しいんだ。特にコーナーの出口には数多くの縁石が設置されており、その中でも黄色のソーセージ型縁石が特に厄介なんだ。二人ともコース全体を使って全力でプッシュするから、ボディワークのコンポーネントが幾つか損傷してしまった。FP2のロングランの終盤にピエールのマシンに発生してしまったトラックロッドの故障は特に痛手だったよ。

ラップを終えようとしていたところでフォース・インディアの2台と出くわしてしまい、ダーティーエアーの影響でフロントのコントロールを失い縁石にぶつかってしまったんだ。その影響でトラックロッドに大きな負荷がかかり壊れてしまった。でも、メカニックの皆が素晴らしい仕事をしてくれたおかげでセッション終盤にはコースに戻る事が出来たよ。その後ロングランを進められたし、走行時間のロスは最小限で済んだ。

ピエールはウルトラソフトタイヤでアタックしていないにも関わらず速さをみせていたから、明日に向けてはポジティブに考えてる。ブレンドンの方はマシンバランスを改善するために幾らか作業が必要な状況だ。明日の準備を進めるために、今夜は集中して作業に取り組むよ。


F1オーストリアGP初日フリー走行は、大型のエアロアップグレードを持ち込んだメルセデスAMGが完全制覇。ルイス・ハミルトンが2回のセッションで共にタイムシート最上部を独占、バルテリ・ボッタスがこれに続いた。

土曜フリー走行は、日本時間6月30日(土)19時から、公式予選は同22時からレッドブルのお膝元レッドブル・リンクで開催される。

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