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FRICサスペンション
FRICサスペンション(FRICS)とは、前後のサスペンションを油圧で相互に接続したシステムのこと。その目的は空力学的に車体を安定させることにある。
車体の安定とは…
- 車体が路面に対して一定の車高を保っていること
- 車体が路面に対して水平であること
であり、これを達成するために、ブレーキングや加速といった加減速の際に生じる重力を受動的に利用することで、車体の前後の車高が変化せず安定するようにする仕組みがFRICサスペンションであり、これによる最大の恩恵は低速コーナーにおけるダウンフォースのアドバンテージと言われる。ダウンフォースの増加=タイヤが路面にきちんとグリップすること、になるわけなので結果的にタイヤにも優しい。
アクティブサスペンションとFRICサスペンション
FRICサスペンションを語る上で外せないのが「アクティブサスペンション」である。アクティブサスペンションもまたFRICと同じように空力学的に車体を安定させるために開発されたが、1994年にレギュレーションによって禁止されてしまったため、以降F1マシンには搭載されてこなかった。
そうは言えども規定をかいくぐるのが人の常。レギュレーションによって禁止されたのは電子的かつ能動的にサスペンションを動作させることであったため、機械的にかつ受動的にサスペンションを動作させることのできるFRICサスペンションが生まれることになったが、2014年ドイツGPにて急遽実質的に禁止されてしまった。