アルピーヌF1への改称をアナウンスするルノーのグラフィック

アルピーヌF1チーム

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チームデータ

チーム名 アルピーヌF1チーム
国籍 イギリス
本拠地 エンストン
参戦初年度 2021年
WEBサイト www.renaultsport.com

アルピーヌF1チーム(Alpine F1 Team)はイギリス・エンストンに本拠を構えるF1コンストラクターで、2021年シーズンのFIA-F1世界選手権でデビューを飾る。

レギュラードライバーは2年ぶりのF1復帰を果たすフェルナンド・アロンソと、エンストンでの2シーズン目を迎えるエステバン・オコン。コンストラクター名は「アルピーヌ」、シャシーは1975年に試作F1マシン「A500」を彷彿とさせる「A521」、運営会社はAlpine Racing Ltd.(旧ルノー・スポーツ・レーシングLtd.)だが、エンジンには「ルノー」のバッジを掲げる。

ルノーF1チームの2020年型マシン「R.S.20」の正式カラーリング
ルノーF1チームの2020年型マシン「R.S.20」

前身はルノーF1チーム。フランスの自動車会社グループ・ルノーの新たなブランディング戦略に基づき、傘下のスポーツブランドとして位置づけられたアルピーヌのプロモーションのために、2021年よりチーム名をアルピーヌF1チームへと改称することが発表された

ルノーは2020年9月3日(木)、グループ全体を4つのブランドで再編する新たな組織体制を発表した。これは「ルノー」「ダチア」「アルピーヌ」「ニューモビリティ」から成るもので、アルピーヌの統括責任者にはルノー・スポール・レーシングのマネージング・ディレクターを務めていたシリル・アビテブールが抜擢された。

「アルピーヌ」ブランドについて

フランス出身のレーシングドライバー、ジャン・レデレにより設立されたアルピーヌは、ル・マン24時間レースなどで活躍した後、1973年にルノーの傘下に加わった。

1978年のル・マン24時間レースでは、F1ドライバーでもあったディディエ・ピローニが駆るルノーエンジン搭載のアルピーヌ「A442B」が優勝。ルノーに悲願のルマン初優勝をもたらした。

その後、1995年のA610の生産終了を以てアルピーヌブランドは一旦途絶えたものの、2017年に新型A110の発売が開始され復活を遂げた。

アルピーヌ新型A110
アルピーヌ新型A110

一時はF1参戦に向けてのプロジェクトが進められていた事もある。

1968年、ゴルディーニV8エンジンを搭載したアルピーヌA350グランプリカーが製作されたが、ザントフォールト・サーキットで行われたテストの結果、400馬力を誇るコスワースV8と比較して100馬力近く遅れている事が判明し、プロジェクトはお蔵入りとなった。

歴史

現在、エンストンを本拠とするこのチームの歴史は古い。

トールマン時代

F1初参戦は1981年。「トールマン」の名でチャンピオンシップを戦い、1985年までの57戦に出走して表彰台3回を獲得し、通算26ポイントを挙げた。本拠はオックスフォードシャー州ウィットニーだった。

ベネトン時代

1985年シーズン終了後にベネトンに買収され、チームは1986年に「ベネトン・フォーミュラ」へと改名された。1995年にはコンストラクターズ選手権初制覇を成し遂げ、ミハエル・シューマッハが1994年と1995年の2度に渡ってドライバーズタイトルを獲得した。92年シーズンを前にエンストンにファクトリーが移された。

第一期ルノー時代

2000年にチームはルノーに買収された。手続き上の問題があり2001年は「ベネトン・ルノー」として参戦したが、2002年に「ルノーF1チーム」へと改められた。フェルナンド・アロンソと共に、2005年と2006年にダブルタイトルを獲得した。

フェルナンド・アロンソが駆るルノーF1マシン、モナコGPにて
© RENAULT SPORT

チーム代表のフラビオ・ブリアトーレとパット・シモンズが主導する形で、アロンソにとって有利な状況を作り出すために、ネルソン・ピケJr.に対して故意にクラッシュするよう命じたとされるいわゆる「クラッシュゲート」発覚後、ルノーはチームの大部分の株式をルクセンブルクの投資会社「ジェニー・キャピタル」に売却。残る株式もグループ・ロータスに売却され、チームは2011年よりロータスへと改称された。

ロータス時代

2011年シーズンは「ロータス・ルノーGP」を名乗り、ロバート・クビサとヴィタリー・ペトロフを起用するも、開幕前の2月6日、イタリアでのラリー競技中に瀕死のクラッシュに見舞われた事でクビサが契約を全うできない状況となり、ニック・ハイドフェルドが後任についた。

当時は「ロータス」の名を持つ2チームがF1に存在する状況となり、名称権利を巡る訴訟に発展。2012年より、チーム・ロータスはケータハムF1チームに、ロータス・ルノーGPはロータスF1チームに改称された。

グループ・ロータスからの資金提供が終わりを迎えた事で慢性的な財政難に陥り、2015年末にルノーによる再度の買収が発表された。

第二期ルノー時代

2016年に「ルノー・スポールF1チーム」として再出発を切り、2019年には「ルノーF1チーム」へと改称されるも、一度も優勝を果たせないままにアルピーヌにバトンを渡す事となった。