F1移籍市場に影響必至…2026年メルセデスF1シート満席へ―ウォルフ、フェルスタッペンは“レーダー外”と明言

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メルセデスAMG F1のチーム代表を務めるトト・ウォルフは、2026年シーズンに向けてマックス・フェルスタッペンの獲得を検討していないと明言し、現行のドライバーラインナップを維持する方針を示した。

2026年に向けてメルセデスのシートは2つともが未確定だが、AP通信によると、2025年の開幕戦オーストラリアGPを前にウォルフは「昨年の段階ではっきりと公言したと思う」と述べ、フェルスタッペンをこれ以上追い求めず、現在のドライバー体制に集中する考えを強調した。

フェルスタッペン獲得交渉は断念

ルイス・ハミルトンが2024年シーズンの開幕を前に、メルセデスを離れフェラーリに移籍すると発表した後、ウォルフはフェルスタッペンを後任に据えたいとの願望を事ある毎に強調してきた。

実際、レッドブルからの引き抜きを目指して昨夏、フェルスタッペンの父ヨスとマネージャーのレイモンド・ファルムーレンと会談したが、最終的に交渉を断念した。

ハミルトンの移籍に伴い、メルセデスは2025年シーズンに向けてジュニアドライバーのアンドレア・キミ・アントネッリを昇格させ、ジョージ・ラッセルの新たなチームメイトとする決定を下した。

ウォルフは「良い関係にある限り、私は外に目移りするようなことはしない。そしてそれは今年も変わらない。(フェルスタッペンは)もはやレーダーには存在しない」と語り、ラッセルとアントネッリに注力する姿勢を明確にした。

メルセデスのトト・ウォルフ代表、2024年4月21日(日) F1中国GP決勝(上海インターナショナル・サーキット)Courtesy Of Mercedes-Benz Grand Prix Ltd.

メルセデスのトト・ウォルフ代表、2024年4月21日(日) F1中国GP決勝(上海インターナショナル・サーキット)

ラッセルとの契約延長が優先事項

メルセデスとラッセルの契約は2025年末に満了を迎える。ウォルフは、今季のサマーブレイク前までに契約延長交渉を開始する意向を示した。

ウォルフは「数週間前に、交渉の適切なタイミングについて(ラッセルと)話をした。私は一度口にしたことに責任を持つタイプだ。私はこの3人(リザーブ・ドライバーのバルテリ・ボッタスを含む)でチームを進めていきたいと考えている」と述べた。

12年間にわたりメルセデスで数々の成功を築いたハミルトンのフェラーリ移籍は、F1界に大きな衝撃を与えた。しかし、ウォルフはメルセデス内部への影響は限定的であると説明する。

「外部から見ると劇的な変化に映るかもしれないが、昨シーズンを通してこの状況には慣れてきた。それに、ルイスがフェラーリの赤いスーツを初めて着た時は、素直に『いい写真だな』と思ったよ」と語った。

フェルスタッペン獲得の可能性が完全に否定され、メルセデスのシートが埋まる見通しとなったことで、ドライバー市場の動向に大きな影響を与えることは確実だ。

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