ウィリアムズのヨースト・カピートCEO、2022年6月18日にジル・ビルヌーブ・サーキットで行われたF1カナダGPのFIAプレスカンファレンスにて
Courtesy Of Williams

ウィリアムズF1のトップが一斉退社、カピート代表と最高技術責任者が離脱

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ウィリアムズF1チームのCEO兼チーム代表を務めるヨースト・カピートと、テクニカル・ディレクターのフランソワ=グザビエ・ドゥメゾンが共にチームを去ることになった。僅か2年での退社だ。

チームは12月12日(月)の声明の中で、カピートは「身を引く」として今後もチーム内に留まる可能性を含む言い回しを使ったが、ドリルトン・キャピタルのマシュー・サベージ会長はカピートが「予定されていた退職を延期」したとしており、両者は揃って退社するものと思われる。

ドリルトンによるウィリアムズ買収と創業家離脱を経て、2021年2月に英国グローブのチームに加わったカピートは、フォルクスワーゲン時代に4年連続で世界ラリー選手権(WRC)タイトルを独占した際の同僚、ドゥメゾンを技術部門トップに充て、名門復興の旗手として尽力した。

新体制下での初年度となった2021年、ウィリアムズはコンストラクター選手権8位とフィールドを前進したものの、新型グランドエフェクトカーを含む新しい技術レギュレーションが導入された2022年シーズンは最下位に沈んだ。

退職に際してカピートは「再建の基礎を築くことができた」としたものの、リーダーシップの急変更はウィリアムズの将来に疑問を投げかけるものと言える。

実際、退任発表では後任のチーム代表とテクニカルディレクターは明らかにされておらず、ウィリアムズは追って発表するとしている。カピートが「予定されていた退職を延期」しながらも後任が決まっていない状況は決して好ましいものではないだろう。

カピート体制下でウィリアムズは、レッドブルからアレックス・アルボンを完全に引き抜き、ルーキーのローガン・サージャントを2023年のレギュラードライバーに据えた。サージャントはカピートの在籍時に設立された若手ドライバープログラムの出身者だ。

カピートの今後に関しては、マッティア・ビノットの後任としてスクーデリア・フェラーリに移籍すると強く囁かれているフレデリック・バスールの代わりにアルファロメオに移る可能性も考えられる。