レッドブル・リンクでのF1初テストに臨むアンドレア・キミ・アントネッリ、2024年
Courtesy Of Mercedes-Benz Grand Prix Ltd.

ウィリアムズとメルセデス、規定免除の”特別対応”をFIAに要請か…アントネッリのイモラF1デビューを巡り

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2024年シーズン途中でのドライバー交代を巡り、ウィリアムズとメルセデスが国際自動車連盟(FIA)に対し、スーパーライセンス要件に係る年齢制限を免除するよう要請したとの噂が広がっている。

渦中にいるのはローガン・サージェントとアンドレア・キミ・アントネッリだ。両チームは5月中旬のF1第7戦エミリア・ロマーニャGPで、サージェントに代えてアントネッリをウィリアムズからデビューさせる事を目論んでいるとされる。

トト・ウォルフの目に留まり、2019年からメルセデスの若手育成プログラムに参加しているイタリアの新生、アントネッリは、2025年にフェラーリに移籍するルイス・ハミルトンの後任候補と広く考えられている。

仮に今シーズン中にF1で経験を積むことができれば、来季メルセデスのフルタイムドライバーとしての可能性は一気に高まる。チームとしても、起用に値するかどうかの判断材料が増えることになる。

問題は2006年8月25日生まれのアントネッリがまだ17歳という点だ。

マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は17歳だった2015年に史上最年少F1デビューを果たしたが、FIAは2016年に「18歳」という年齢制限をスーパーライセンス要件に加えた。

つまり理論上、アントネッリが参戦可能となるのは9月1日の第16戦イタリアGPとなるわけだが、今年のドライバーマーケットは異例と言える程に早い時期から動き出しており、決定が遅くなればなるほど有力ドライバーを逃す可能性が高まる。

このような背景もありメルセデスは、サージェントにとっての母国レースとなるマイアミGP後のイモラでの交代を検討。かつての部下であるジェームズ・ヴァウルズ率いるウィリアムズに話を持ち込み、”18歳規定”の特別免除をFIAに要請したようだ。

しかしながら、ライセンス要件を規定するFIA国際スポーツ規競技規則付則L項の第13条には「最初に参加するF1競技会の開始時点で少なくとも18歳でなければならない」と明確に記されており、ルールが改定されない限り、実現の可能性はないように思われる。

4月中旬のレッドブル・リンクでのF1初テストに続き、4月29日と30日にイモラ・サーキットで行われたテストでアントネッリは、シルバーアローの初代グランドエフェクトカー、2022年型「W13」をドライブした。イタリア国内の報道によると1分17秒台を記録したとされる。

コンディションが全く異なるため比較にはならないが、参考までに2022年のエミリア・ロマーニャGPで刻まれた週末ベストはマックス・フェルスタッペン(レッドブル)がレース中に記録した1分18秒446だった。予選Q3は雨の中での争いとなったため、ポールタイムは1分27秒999と、参考にはならない。

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