ベッテル、”変態カイリー”と再会…e燃料搭載の戦友レッドブルRB7で独ノルドシュライフェ走行へ
セバスチャン・ベッテルは2023年9月9日の「レッドブル・フォーミュラ・ニュルブルクリンク」で、2011年のF1ドライバーズ・チャンピオンを勝ち取ったレッドブル「RB7」に合成燃料(e-fuel)を積み、”緑の地獄”の異名を持つ独ニュルブルクリンク北コース、ノルドシュライフェを走行する。
これは同じ週末に開催されるニュルブルクリンク12時間レースの併設イベントとして行われるもので、レッドブルの今季サード・ドライバーを務めるダニエル・リカルドも参加。こちらは2012年型「RB8」を走らせる。
2011年にベッテルはRB7と共にシーズン19戦を戦い、ポールポジション15回、優勝11回、計392ポイントを獲得。ランキング2位のジェンソン・バトン(マクラーレン)に122点という大差をつけて2度目のタイトルを勝ち取った。
アストンマーチンでの2年を経て2022年末限りでF1を引退した4度のF1王者は、12年前の愛機、”変態カイリー”と共に、持続可能燃料の可能性を広くアピールする。レッドブルのF1マシンをドライブするのは2014年末以来、初。
35歳のドイツ人元F1ドライバーは昨年のイギリスGPで、P1フューエル製の100%持続可能燃料を使って1992年のナイジェル・マンセルの愛機「FW14B」をドライブ。その後、ICE(内燃エンジン)と持続可能燃料によるモータースポーツの将来の可能性を証明すべく、プロジェクト「Race without Trace」を立ち上げた。
7月13日~16日に行われる2023年のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード(FOS)では、ベッテル自身が所有するV10エンジン搭載のウィリアムズ・ルノーFW14Bや、V8エンジン搭載のマクラーレン・フォードMP4/8に持続可能燃料を積みドライブする。
ノルドシュライフェで最後にグランプリが開催されたのは47年前に遡る。GPコースではF1アイフェルGPの名の下に2020年に開催されたが、ニキ・ラウダの事故の影響もあり北コースでのレースは1976年を最後に途絶えた。
F1マシンがノルドシュライフェを走行するのは、2013年にミハエル・シューマッハがニュル24時間のサポートの一環としてメルセデス「W02」を駆って以来、10年ぶり。2007年にはニック・ハイドフェルドが同じくノルドシュライフェでステアリングを握った。