F1サンパウロ:スプリント3位のフェルスタッペンに懲罰、4位後退でリード減少「0.63秒」のVSC規定違反で
2024年F1サンパウロGPのスプリント終盤のバーチャル・セーフティーカー(VSC)導入時にF1競技規則第56条5号に違反したとして、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が5秒ペナルティを受け4位に降格した。
これにより、チームオーダーを経て僚友オスカー・ピアストリから勝利を譲り受けたランド・ノリス(マクラーレン)は、選手権首位に立つフェルスタッペンとのポイント差を44点に縮めた。
ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)のストップに伴い、残り2周でVSCが導入される直前、マクラーレンはトップを走るピアストリにチームオーダーを発動し、後方ノリスと順位を入れ替えさせた。
リスタートに向けてフェルスタッペンはピアストリに接近し、VSCの解除を前にターン4に向けて並走しかけるような形となった。
ジョニー・ハーバートを含む4名の競技審判団はスプリントを経て、3位でフィニッシュしたフェルスタッペンを召喚。聴聞会を経て、VSC解除時に最低タイムを0.63秒下回っていたとして、フェルスタッペンが競技上のアドバンテージを得たと結論付けた。
ドライバーは各マーシャルセクターおよび、セーフティーカーライン間において、FIA標準ECUが設定したタイムより遅く走らなければならないと定められている。
フェルスタッペンは聴聞会の中で、VSC解除に向けて待機していた際、設定された最低タイムを下回っているとの通知を受け対処しようと試みたものの、FIAのライトパネルがグリーンに変わるまでには間に合わなかったと説明した。
レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表はスプリントを終えて、「見た限りでは問題なさそうだ」としていたが、規則違反に伴い5秒ペナルティが科されて4位に後退しただけでなく、1点のペナルティポイントが加算されたことで、過去12ヶ月間のフェルスタッペンの累積点は7点に達した。
VSCの解除が近づくとドライバーにも通知されるが、解除の具体的なタイミングが開示されるわけでも、カウントダウンが行われるわけでもない。そのためドライバーは、解除と同時に先行車を交わせるよう、コックピット内で解除のタイミングを推測しながら加速を始める。
リスタートに関してはレースディレクターノートの中に、自車のノーズが前走車のリアウイングより前に出てはならないとの指針があるが、これは通常のセーフティーカーに関する文脈上で記されているものであり、VSC解除時にも適用するとは明記されていない。