レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン、2021年9月23日F1ロシアGP木曜記者会見にて
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フェルスタッペン、「偽善」「僕の事を良く知らないだけ」モンツァ事故非難とハミルトンの”重圧”主張を一蹴

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レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは、F1イタリアGPでのルイス・ハミルトンとの事故の際に、相手の容態を確認せずに現場を立ち去ったと非難する人々を「偽善」と称し、自身が初のタイトル戦に直面して重圧に晒されているとのライバルの主張を「僕の事を良く知らない証拠」と一蹴した。

両者は前戦モンツァでクラッシュを喫し、共にノーポイントでレースを終えた。14戦を消化した現段階での得点差は僅か5ポイントと、フェルスタッペンとハミルトンのチャンピオンシップ争いはV6時代としては最も激しく、そして拮抗している。

レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンとのクラッシュを経て事故現場を歩き去るメルセデスのルイス・ハミルトン、2021年9月12日F1イタリアGPにてCourtesy Of Daimler AG

レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンとのクラッシュを経て事故現場を歩き去るメルセデスのルイス・ハミルトン、2021年9月12日F1イタリアGPにて

Wリタイヤの原因となった接触事故については、自身に怪我がない事を確認しないままにフェルスタッペンが事故現場を去ったとしてハミルトンが「驚いた」との表現で非難したが、フェルスタッペンは自分の取った行為に何も問題はないと考えている。

曰く、それは事故を経てなおグラベルからコースに戻ろうと奮闘している姿を確認してハミルトンに大事がない事を確信していたからだと言う。

更にフェルスタッペンはF1ロシアGPの開幕を前に、事故の翌日にニューヨークで開催されたMETガラにハミルトンが出席していた事も無事であった事の左証だと主張。クラッシュ後の自身の行動に対する批判について問われると「世界にはたくさんの偽善者がいる。それは確かだ」と答えた。

「クルマから飛び降りた僕は左を見て、僕のクルマの下から逃れようとハンドルを握りバックしようとしていた彼を確認した。だから僕は彼が間違いなく問題ないと思ったんだ」

「それに彼は月曜だか火曜にアメリカへ飛んでガラに出席していた。体調が悪ければそんな事できないよね。つまり、何も問題なかったって事さ。僕はあの時にそう感じたんだ」

同じ日のソチでハミルトンは自身の経験を元に、キャリアを通して初めて世界タイトルに挑戦しているフェルスタッペンの肩には大きな重圧が掛かっており、それがパフォーマンスに影響しているとの考えを示した。

「もちろん、彼は認めないだろうし、僕も決めつけるつもりはないけど、僕が最初にタイトル争いをした時にどんな感じだったのかは覚えている。それは間違いなく積み重なっていくんだ」

「辛く激しいものだった。いろいろな感情が渦巻いていて、常にベストな状態じゃなかった。でも当然の事なんだ」

「ビッグチームでの仕事はプレッシャーも大きく、勝ちたいという欲求があるために自分自身への期待やプレッシャーもある」

「だから僕は(フェルスタッペンに)共感しているし、理解している。僕らはこれからも成長し続ける事ができると思ってる」

そんなハミルトンの考えについての意見を求められたフェルスタッペンは「ああ、緊張して眠れないし、タイトル争いは本当に嫌で仕方がないね」と冗談を飛ばした。

これには隣に座っていたジョージ・ラッセル(ウィリアムズ)も「今日の見出しはこれで決まりだね」と爆笑した。

2021年9月23日のF1ロシアGP木曜FIAプレスカンファレンスに出席したレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンとウィリアムズのジョージ・ラッセルCourtesy Of Red Bull Content Pool

2021年9月23日のF1ロシアGP木曜FIAプレスカンファレンスに出席したレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンとウィリアムズのジョージ・ラッセル

ハミルトンが「認めないだろうね」と語っていたように、フェルスタッペンは「僕の事を知っている人なら、如何に僕がリラックスしているかを知っているし、僕としても実際、何も気にしちゃいないし、かなり落ち着いている」と述べ、タイトル争いへの気負いはないと反論した。

「毎週末、勝利を目指して戦えるだけの素晴らしいマシンを手にできて本当に最高の気分だし、チャンピオンシップをリードしているかどうかは(プレッシャーの過多に)何も関係ない」

「そういうコメントが出るって事は、彼(ハミルトン)が僕の事を良く知らないって事の証拠だし、僕はそれで構わないし、僕としても彼がどうであるかを完璧に知る必要はありゃしない」

「僕は自分の事だけに集中しているし、トップを争う場所にいる事を心から楽しんでいるわけであって、当然、この調子でずっとやっていけたらなって思ってるだけさ」

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