イイ話だなぁ…F1キャリア形成における父の存在を語るフェルスタッペンとサインツ、そしてハミルトン

カルロス・サインツ(フェラーリ)、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)、ルイス・ハミルトン(メルセデス)、2022年6月19日F1カナダGP決勝レースのトップ3会見にてCourtesy Of Red Bull Content Pool

去るF1第9戦カナダGPが行われた6月19日は父の日だった。その意味でモントリオールの表彰台に上がった3名のドライバーは、良い親孝行、父孝行ができたと言える。

レース後会見では、優勝したマックス・フェルスタッペン(Red Bull)、2位のカルロス・サインツ(Ferrari)、そして3位のルイス・ハミルトン(Mercedes)に対し、父の日という事で、キャリアにおいて父親が果たした役割の重要性について質問が飛んだ。

父なくして今はない、とフェルスタッペン

Courtesy Of Red Bull Content Pool

ドライバーズルームでマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)に寄り添う父ヨス・フェルスタッペン、2021年12月11日F1アブダビGPにて

3年ぶりのジル・ビルヌーブ・サーキットでのレースで優勝したフェルスタッペン父、ヨスはF1での現役を退いた後、自身より優れたレーシングドライバーに…との想いから、人生の大部分を息子マックスに捧げてきた。

「父がいなければ僕は今、ここに座っていなかっただろうね」とフェルスタッペンは語った。

「父が僕にしてくれたことは、まあ、説明するのが難しいんだけど、、みんな知っての通り、父はF1の現役を退くと僕をF1に立たせるために、その後の12年間に渡って僕のためにあらゆることに挑戦し、全てを尽くしてくれた」

「一緒にヨーロッパ中を旅して周り、オランダの自宅に戻れば僕が使うエンジンやカートの準備、ダイナモでの作業など、本当にクレイジーな程、仕事に取り組んでくれた」

「朝起きると僕を学校に連れて行き、その後ワークショップに行って仕事を続けるんだ。学校が終わった後も父はまだそこにいて、ダイナモでの作業を続けていた」

「僕はそれを手伝った。父は自分がやっていることを僕に見せてくれた。彼はマシンがどう動くのかを僕に理解して欲しいと思ってたんだ」

「それはもう…こうして今振り返ってみると本当にクレイジーでね…ああいった時間を過ごせた事に本当に感謝してるよ」

「当時は『なんでこんなことしなきゃならないんだ』『僕がやる必要あるのか』なんて、ちょっと軽く考えていたけど、ああいった事が僕を大いに助けてくれた事は間違いない。後のキャリア、いやもちろん今でさえね」

「今はもう『ここに来て、あれをやれ、これをやれ』なんて言われる事はないわけだけど、レースについてだけじゃなく、一般的なこと、そして僕が何をしているのかって事について、父とは常に分かち合いたいって思ってる」

「こういう関係を築けて本当に良かった。そう、だからね、彼が今日のレースを楽しんでくれたら良いなって思うんだ。父は神経質な性格だから、今日もきっとかなりピリピリしていたんじゃないかな。今日は上手くやれたし、いいプレゼントになったと思う」

人生の多くを共に過ごせて嬉しい、とサインツ

Courtesy Of Red Bull Content Pool

カルロス・サインツSr.とカルロス・サインツJr.、2017年9月9日スペイン・アビラ州セブレロスのラリーサーキットにて

サインツの父、サインツSr.もヨスと同じくレーシングドライバーだった。正確に言えば今もエクストリームEでステアリングを握る現役で、1990年と1992年に世界ラリー選手権(WRC)でドライバーズタイトルを獲得したレジェンドだ。

「マックスとよく似た感じかな」とサインツJr.は語った。

「父がラリーから引退したのは2004年で、僕がカートに参戦し始めたのは2006年だった」

「僕がキャリアにおいて何をすべきかという点で、それ以来父は僕の右腕であり、メンターであり、助言者であり、またリーダーでもあるんだ」

「子供の頃に父と一緒にたくさんの時間を過ごせて本当に良かったと思ってる。今でも11歳とか12歳頃と同じような会話をしているし、未だにおんなじような話をしてくるんだけど、僕はそれを本当に誇らしく思う。レースの話だけじゃなく、家族と一緒にたくさんの瞬間を共有できる事についてもね」

「今はよく一緒にゴルフやパドル、スカッシュをしたりする。父も年を取って今ではもう60歳だけど、こうして色んなスポーツを一緒に楽しむ事ができて有り難く思うよ」

「今もレースに来てくれるし、一緒に楽しんでるよ」

感謝の気持ちが消える事は一生ない、とハミルトン

creativeCommons Paul Williams

ルイス・ハミルトン(マクラーレン)とその父アンソニー・ハミルトン、2008年12月14日

ハミルトンの父、アンソニーは先の2人とは異なりプロのレーシングドライバーではなかった。最初の妻カルメン・ラルバレスティアとの間に生まれた長男ルイス、そして後妻との間に生まれた次男ニコラスのために、3つの仕事を掛け持ちしながら、汗を流して働いた。

マクラーレンのジュニアドライバーに起用された後は資金面の心配から開放され、アンソニーはルイスのマネージャーとして働いた。2008年の初タイトル獲得は2人の努力の結晶として感動を誘ったが、ルイスは2010年末に父ではなくマネジメント会社を選んだ。

この別れは後に、両者の間に決定的な溝を作る事となったが、今では仲を戻しており、昨年末のアブダビでの劇的な敗北に際しては息子を暖かく抱くアンソニーの姿があった。

ハミルトンは「僕も2人と似てるよ。対照的なのは、僕の父は若い頃にレーシングドライバーになるためにがむしゃらだったって事だろうね」と語った。

「質素な生活だったけど、父は子どもたちに自分よりも良いチャンスを与えたいっていう夢を抱いていた」

「これまで共に歩んできた道程、苦悩、2007年にここで初のグランプリ優勝を果たして表彰台の上から彼を見下ろした事、そして僕らがレースを続けるための資金を集めるために、自分のシャツを脱いでそれを売ろうとまでしたような事、こういう僕らにしてくれたあらゆる事を思うと、父への感謝の気持ちが消える事は一生ない」

「父が今日という日を誇りに思ってくれることを願うよ。クルマに乗るたびに父と家族全員に誇りに思ってもらえるよう、僕は今後も努力し続ける」

「すべての父に父の日おめでとう、って言いたい。僕の友人には父親がいない人もいるし、母親として本当に素晴らしい人もいる。それでも今日こうして、父を祝えるのは素晴らしいことだと思う」

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