フェルスタッペン、RB20のデザインも競合もタイムも気に留めず「全てがかなり前向き」と2024年F1テストを総括
F1プレシーズンテスト最終3日目の後半を担当したマックス・フェルスタッペン(レッドブル)はタイムシートのトップを逃したが、そもそも「純粋なタイム」に焦点を当ててはいなかったと明かし、「全てがかなりポジティブ」だとして満足感を示した。
前半を担当した僚友セルジオ・ペレスは排水カバーのトラブルに巻き込まれたが、幸いにも車体へのダメージはなかった。バトンを受け継いだフェルスタッペンは金曜の後半にRB20のステアリングを握って65周を走り込み、トップから0.433秒遅れの4番手でクルマを降りた。
タイムシートのトップに立ったシャルル・ルクレールはC4コンパウンドでの計測で、フェルスタッペンはそれより1段階硬めのC3でのアタックだった。3日間の総合順位でもフェルスタッペンは6番手に留まり、フェラーリ勢がトップを占拠した。
テストをファステストで締め括れなかった事について問われたフェルスタッペンは「そうだね、でも今日は純粋なタイムに焦点を当ててはいなかったんだ。それよりも兎に角、ロングランをこなしてクルマに対する理解を深める方が重要だった」と説明した。
「だからそういうプログラムに集中的に取り組んだんだけど、本音を言えば、クルマの挙動にはかなり満足しているし、すべてがかなりポジティブに感じられた。来週末のレースに向けては、直面する状況に合わせてバランスを微調整する事になる」
プレシーズンテストは例年、ちょっとした駆け引きの場となる。エンジンモードや搭載燃料などなど、ラップタイムは必ずしもそのクルマの真の競争力を示すものではないが、それでもライバルやパドックの人々は誰もがレッドブルの優勢を予想している。
チーム内でもそう感じているのか? 最も脅威と思うチームは何処か? と問われたフェルスタッペンは「そういうことはあまり考えていない」と述べ、「自分たちの事に集中しているだけさ。もちろん、やるべきことは常に山積みだと思う。いつだって、より上を目指したいからね」と続けた。
「本当に前向きなテストになったと思う。クルマに変更を加えるたびに多くを学んだしね。来週末に向けて自分たちがどうしたいのかは分かっているから、これからはそれに取り組んでいくつもりだ」
シンガポールGPでカルロス・サインツ(フェラーリ)に勝利を明け渡す事になったマリーナベイ市街地コースを除いて、先代のRB19は様々な特性のコースで総じて高い競争力を発揮したが、RB20も同様にカレンダー全体でパフォーマンスを発揮できるクルマなのだろうか?
これについてフェルスタッペンは「時間が経ってみないと分からないよ。今のところは分からない」と返した。
プレシーズンの話題はRB20のデザインに集中した。それはメルセデスが過去2シーズンに渡って採用しつつも「誤り」だったとして捨て去った様々な要素が見て取れるもので、パドックの誰もが驚きを禁じ得なかった。
エイドリアン・ニューウェイとピエール・ワシェ率いる技術チームが最初にRB20のプランを見せてきた時に「クレイジー」だと思ったか? と尋ねられたフェルスタッペンは「チームの誰もが自分たちが何をしているのかを理解していると信頼しているから、彼らがどうデザインしようが構わない。速ければね!」と答えた。
「もちろん、彼らが何を考え出すのかはいつだってかなり興味深い。見た目も良いよね」
「それに僕はエンジニアじゃない。僕の仕事はクルマに乗ることだし、彼らはクルマを作って準備を整えるためにここにいる」
「今のところ、僕らが期待していたことは全てかなり上手くいっていると思う。実際のコースに持ち込んで初めて乗る時はいつも、ちょっとした疑問が浮かぶものだけど、ここ数年はそういうところが僕らの強みになっていると思う」
プレシーズンテストはこれで全ての日程が終了した。2024年シーズンの初戦、バーレーンGPは来週末の2月29日(木)に開幕を迎え、3月2日(土)に決勝レースが行われる。