サングラスをかけロサイル・インターナショナル・サーキットのパドックを歩く角田裕毅(スクーデリア・アルファタウリ)、2023年10月6日(木) F1カタールGP
Courtesy Of Red Bull Content Pool

角田裕毅「カタールほどの苦戦はないと思うけど…」F1アメリカGP 3年連続入賞に向けての課題

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2023年のF1第19戦アメリカGPに向けて角田裕毅は、アルファタウリが伝統的に好成績を収めてきた地である等として、前戦カタールほどの苦戦はないと予想する一方、ロングストレートやスプリントを理由に慎重な姿勢を崩さない。

ロサイル・インターナショナル・サーキットでの前戦では最大瞬間風速45キロの突風が吹き荒れ、砂漠の砂の到来により路面状況が悪化するなど、クルマの挙動を予測する事が難しいコンディションとなり、レースでは嘔吐や失神寸前の者まで出る灼熱の週末となった。

報道陣の質問に答える予選11番手の角田裕毅(スクーデリア・アルファタウリ)、2023年10月6日(金) F1カタールGP(ロサイル・インターナショナル・サーキット)Courtesy Of Red Bull Content Pool

報道陣の質問に答える予選11番手の角田裕毅(スクーデリア・アルファタウリ)、2023年10月6日(金) F1カタールGP(ロサイル・インターナショナル・サーキット)

予選11番手ながらも15位に終わった前戦について角田裕毅は「カタールGPは僕らにとって、あまり良い週末ではありませんでした。予選は上手くいきましたが、スプリントは悪く、決勝レースではペースが上がりませんでした」と振り返った。

「暑さが話題になりましたが、あれは本当に厳しかったです。たとえフィジカル面に問題がなかったとしても兎に角、暑すぎました。特に熱風を撒き散らす先行車両を追いかけている時は尚更でした。F1はタフなスポーツですが、カタールはいつも以上にハードでした」

ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)をリードする角田裕毅(スクーデリア・アルファタウリ)、2023年10月8日(日) F1カタールGP決勝レース(ロサイル・インターナショナル・サーキット)Courtesy Of Red Bull Content Pool

ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)をリードする角田裕毅(スクーデリア・アルファタウリ)、2023年10月8日(日) F1カタールGP決勝レース(ロサイル・インターナショナル・サーキット)

デビューイヤーの2021年は9位、昨年は10位と、角田裕毅は過去のサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)でポイント圏外に終わった事がなく、3年連続入賞の期待が懸かる。

ただし今週末のアメリカGPはこれまでとは異なり、セットアップ作業やコースの習熟、レースに向けたタイヤへの理解に割けるフリー走行が僅か60分間のスプリント・フォーマットが採用される。COTAでは初だ。

COTAの印象について角田裕毅は「オースティンでは何度かポイントを獲得した事がありますし、コースもそうなのですが街中も本当に楽しい所です」と語る。

「サーキットの最初のセクションは鈴鹿に似ています。高速のシケインと高速コーナーがあって本当に楽しいです。方向転換の多さに加えて、特にエイペックスが見えない登り坂の頂点にターン1があるなど、本当にユニークなコースだと思います」

「僕らのチームはここ数年、ここでそこそこの成績を残しているので楽しみにしていますが、どの程度やれるのかを予想するのは難しいです。今年、苦戦気味のロングストレートがあるので、コーナーでラップタイムを稼ぎたいところです。カタールほど苦戦することはないと思いますが、それでも厳しい戦いになると思います」

「今週末もスプリントなので、金曜のフリー走行からトラブルなくスムーズに週末を過ごす事が大切です。正直なところ、これまでのスプリント・ウイークエンドでは、シュートアウトが散々で、一度もまとめ上げられていないため、今回はそれを正したいと思っています。クルマの挙動が良ければ、あらゆるチャンスを最大限に活かしていきたいと思っています」

角田裕毅2023年スプリント結果
グランプリ スプリント シュートアウト
アゼルバイジャン DNF 18位
オーストリア 16位 13位
ベルギー 18位 16位
カタール 11位 18位

ミディアムタイヤで好ペースを刻む角田裕毅(アルファタウリ)、2022年10月23日F1アメリカGP決勝レースCourtesy Of Red Bull Content Pool

ミディアムタイヤで好ペースを刻む角田裕毅(アルファタウリ)、2022年10月23日F1アメリカGP決勝レース

時差ボケ対策のために月曜に現地入りした角田裕毅は、テキサスBBQを代表する好物のブリスケ(牛の前脚内側の肩ばら肉)に舌鼓を打ったようだ。

「この先に控えるトリプルヘッダーのレースはいずれも独特の課題があって興味深いですね。毎週末、レースができるのは嬉しいのですが、チームメンバー、特にメカニックには厳しいでしょうから、トラブルなくスムーズに3週間を過ごせたらと思っています」と角田裕毅は付け加えた。


2022年大会ではマックス・フェルスタッペンが逆転優勝を飾り、レッドブルが2013年以来、9年ぶりとなる悲願のコンストラクターズ選手権制覇を成し遂げ、8年に渡るメルセデス支配体制に終止符を打った。

スプリントが採用される今季のF1アメリカGPは、日本時間10月20日(金)26時30分からのフリー走行1で幕を開ける。予選と決勝を含めた全セッションはDAZNフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

F1アメリカGP特集