好き?嫌い?”ザ・アメリカ”的なレース雰囲気に感動のハミルトンと、難色示すフェラーリドライバーcopyright COTA

好き?嫌い?”ザ・アメリカ”的なレース雰囲気に感動のハミルトンと、難色示すフェラーリドライバー

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リバティ・メディア体制となって初めてのF1アメリカGPは、例年とはかなり異なるスタイルで彩られた。荘厳なテイストの音楽をバックに各界の著名人達がグリッドに押し寄せ、”スポーツ”というよりも”ショー”としての側面が強調された。”The American”なその独特な雰囲気は、ドライバーによって好き嫌いの好みがはっきりと別れるものだった。

壮大な音楽と派手な映像…そしてウサイン・ボルト

フォーメーションラップのスタートを告げたウサイン・ボルト
© Steven Tee/LAT Images | スターターを務めたウサイン・ボルト

米国に本拠地を置く新しいF1オーナーは、ジャマイカの元陸上短距離代表にして通算8個のオリンピック金メダルを獲得したウサイン・ボルトを招集。フォーメーション・ラップのスタートを告げるとともに、ポディウムインタビュアーを務めた。

決勝レース前に行われたセレモニーでは、アメリカで最も著名なリングアナウンサーであるマイケル・バッファー氏が、一人ひとりのドライバーを声高に紹介した。派手な音楽と映像とともに、グリッド上に仮設されたブラックボックスの中からドライバーが登場、スモークの中を歩く彼らにアメリカのファンは大きな声援を送った。このイベントのために、通常よりも15分繰上げてレコノサンスラップが行われた。

スモークの中からグリッドに現れたストフェル・バンドーンとフェルナンド・アロンソ
© Mclaren / スモークの中からグリッドに現れたバンドーンとアロンソ

その様子はインディアナポリス500マイルレース前のセレモニーさながら。インディカー・シリーズでお馴染みの「スタート・ユア・エンジンズ!」という掛け声も飛び出し、F1のレースである事を忘れてしまう位にアメリカ色に染められていた。

米国式式典に賛否両論のF1ドライバー達

レース前セレモニーに対しての感想を求められた表彰台3人のコメントは、各々のキャラクターの「らしさ」表れる実に興味深いものとなった。

予てよりアメリカ好きを公言するルイス・ハミルトンは「スーパーボウルのよう」と評し最高のエンターテイメントだと絶賛した。スーパーボウルはアメリカンフットボールの優勝決定戦であり、米国最大にして最も成功したスポーツイベントである。その一方でクール至上主義者(?)のキミ・ライコネンは、煩わしいと思っていることを隠そうとはせず、また、セバスチャン・ベッテルはドイツGPでは同じことをやらない方が良いとアドバイスした。


ルイス・ハミルトン

「良かったと思うよ。紹介されて登場するまで廊下で少し待ち時間があったね。あれは少し長すぎかなって感じたけど、彼ら(リバティ・メディア)はここでレース版のスーパーボウルを作りあげたんだ。ドラムの音色やバンドが一体となって、僕が今まで見た中で最高のエンターテイメントだったよ」

「いつもと違うものが見れて最高だった。何十年もの間、グリッド上では毎回同じような退屈なことをしてきたよね。国歌斉唱だって全然エキサイティングじゃないし。今日のセレモニーでは花火も上がって、全てがNFLのゲームの時みたいに興奮するものになったんじゃないかな。彼らはホントに素晴らしい仕事をしたと思う」


セバスチャン・ベッテル

「ファンの皆がこういう感じが好きなら良いんじゃないかと思うし、勿論ナイスアイデアだと思うよ。僕としては、そうだね、正直な所なんでもいいって感じなんだよね。僕は車に乗ってレースするのが好きな人間であって、人を楽しませるのが上手なエンターテイナーじゃないからさ」


キミ・ライコネン

「適切な時と場所で行われている限りはあんまり気にしないよ。全部が煩わしいってわけじゃないけど、日曜日はかなりの距離を走らないといけないから理想からはかけ離れてるね。もし上手くいったならそれはそれで良いことだし、彼らが上手くやってくれる限りは、こういう(慣れない)イベントについては気にしないよ。個人的には何か違うかなとは思うけど、みんな僕がそういう意見を言うだろうって事は分かってたでしょ」

「来年復活するドイツGPで今回みたいなセレモニーをやるのはどう?」との質問が飛ぶと、ハミルトンは「問題ない」とコメント。ドイツ人のベッテルは、同国の国民性を考えるとあまり良いアイデアではないかも、と難色を示した。

「いや、僕は楽しめないかな。ドイツ人がこういうのを楽しむのはちょっと、かなり難しいんじゃないかな…アメリカの人達は今回みたいな雰囲気のエンターテインメントを高く評価していると思うんだけど、ドイツ人は多分ちょっと気後れしちゃうんじゃないかな」

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