角田裕毅、無得点に加え相次ぐ違反「期待ほど成長していないのでは?」に反論するアルファタウリ代表フランツ・トスト
無得点レースが続き、ルール違反が頻発している2年目の角田裕毅について「期待ほど成長していないのでは?」と問われたスクーデリア・アルファタウリのフランツ・トスト代表は「本当に良い仕事をしている」と反論した。
F1第16戦イタリアGPではパワーユニット(PU)の超過交換が相次ぎ、今季最多となる9台ものマシンが降格ペナルティを受けた。ただ角田裕毅だけはPUだけでなく、競技規定違反を含む事由があった。
ドライバー | 降格数 | 理由 |
---|---|---|
マックス・フェルスタッペン | 5 | PU交換 |
エステバン・オコン | 5 | PU交換 |
セルジオ・ペレス | 10 | PU交換 |
バルテリ・ボッタス | 15 | PU交換 |
ケビン・マグヌッセン | 15 | PU交換 |
ミック・シューマッハ | 15 | PU交換 ギアボックス交換 |
ルイス・ハミルトン | 最後尾 | PU交換 |
カルロス・サインツ | 最後尾 | PU交換 ギアボックス交換 |
角田裕毅 | 最後尾 | PU交換 戒告処分 黄旗無視 |
それは戒告処分の累積による10グリッド降格と、フリー走行中の黄旗無視に伴う3グリッド降格を含むものだった。例年、3回に設定されていた戒告処分による降格ペナルティは今年、5回に緩和された。角田裕毅はその第一号だった。
率直な疑問だろう。角田裕毅について、競技的罰則が相次ぎ、第6戦スペインGPを最後に無得点レースが続いている事に触れた上で「あなたが期待していたような進歩を遂げていないのでは?」との質問がフランツ・トスト代表に飛んだ。
無得点については、ライバルがアップグレードによって進化を果たす一方、アルファタウリが開発競争で遅れを取り、今のAT03がトップ5に入るほど十分な競争力を持ち合わせていない事が一因だが、僚友ピエール・ガスリーは第7戦以降に3度の入賞をもぎ取っている。
だが、モンツァでの予選を前に飛び出したこの質問に対してアルファタウリの指揮官は「 彼のパフォーマンスは向上している。ザントフォールトでの予選、モンツァのFP1を見てほしい。彼は本当に良い仕事をしている」と反論した。
ガスリーがQ2敗退に留まる中、角田裕毅はオランダGPで今季4回目のQ3進出を決めて9番手タイムをマーク。またイタリアGPの1回目のフリー走行ではチームメイトを0.38秒上回る8番手タイムを刻んだ。
3グリッド降格が科される事になったイタリアGPのFP2での一件は、エンジニアからの「ターン6で黄旗が出ているが、このラップを最後まで終えてくれ」との無線を誤解した事によるものだった。
ラップを放棄してピットに入るのではなく、減速しつつもフィニッシュしろとの指示だろうが、確かに誤解の余地がある言い方だ。
とは言え、イエローフラッグが振られている状態で減速しなくて良い理由はなく、スチュワードは角田裕毅に3グリッド降格ペナルティ並びにスーパーライセンスに付随するペナルティポイント2点を科した。
昨年11月に行われたサウンパウロGPでのランス・ストロール(アストンマーチン)との接触に伴う2点の有効期限が切れるまでに4点を追加した場合、角田裕毅のスーパーライセンスは一時停止され、1レースの出場停止処分が下される。
これについてフランツ・トスト代表は「黄旗を無視するのは賢明とは言えない。彼は兎に角、自分の感情をコントロールしなければならないし、もっと自らを律しなければならない」と述べ、角田裕毅の過失を認めた。
「予選であったならば難しいのは分かるし、レースでも時にそうかもしれないが、あれはフリー走行だった」
「黄旗が振られたらそれを守り、適切な方法で反応しなければならない。つまりペースを落とさなければならないという事だ」