”罪悪感”と悔恨…部屋に籠もった角田裕毅、W入賞逃して内省
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F1メキシコGPでのクラッシュによって、ダブル入賞というアルファタウリにとって貴重なチャンスを損ねた角田裕毅は「罪悪感」を感じ、宿泊先で部屋に籠もっていたと明かした。
オスカー・ピアストリとの7位争いの最中、角田裕毅はターン1で大外刈りを仕掛けた際に接触。ハーフスピンを喫してコース外に飛び出し、この日のレースをポイント圏外12位で終えた。僚友ダニエル・リカルドはチームにとっての今季最上位となる7位で大量ポイントを持ち帰った。
今季19戦を通してアルファタウリが得点したのは6つの週末に過ぎず、ましてや2台揃ってのポイント獲得が訪れたのはメキシコが初めてだった。
クルマを下りた直後の角田裕毅はピアストリとの一件について問われると「ノーコメント」と突き返すなど、苛立つばかりで気持ちの整理がついていない様子をうかがわせたが、その後は「悔しさ」と「罪悪感」からホテルの自室で一人、自らのミスと向き合っていたようだ。
英「Crash.Net」によると角田裕毅はF1サンパウロGPに先立ち、「チームのためにポイントを取るチャンスを逃してしまいレース後、本当に悔しい思いをしました」と語った。
「それまでは良いレースができていただけに、本当に悔しかったです。実際あの日、このフラストレーションを消化するのは大変でした」
「普段であればメキシコを楽しめた事でしょうが、実際には(予定を)全てキャンセルして、ただただ部屋に籠もっていました」
「あれは重大な局面でした。チャンスでもありました。5位は間違いなく可能でした」
「なぜそう感じるのかはよく分かりませんが、酷いレースをした後に遊んで気晴らしをすると、兎に角、気分が悪くなるんです…。パーティーをするのは良いレースができた時だけです」
専門家の間では、スピンを喫した前のラップに事故の要因が隠されているとの見方が相次いだ。
コラムニスト、解説者として活躍する元F1ドライバーのジョリオン・パーマーは、国際映像とオンボード映像の検証、分析を通して、スピンを喫したターン1での動きには、ターン2に向けてピアストリにコース外に追いやられる事を防ごうとの意図があったとの見方を示した。
また2016年のインディ500ポールシッターで現在、解説者として活動するジェームズ・ヒンチクリフは、前周のピアストリとの接触により感情が高ぶり、それをコントロールできなかったが故にフィールドを転落する事になったとの見解を示し、依然として感情のコントロールが課題だと指摘した。
一件についてスチュワードは「完全に、または圧倒的に責任があるドライバーはいない」としてお咎めなしの裁定を下したが、ドライバー経験のある2人はいずれも、角田裕毅に落ち度があったと結論づけた。