エルマノス・ロドリゲス・サーキットのパドックを歩く角田裕毅(スクーデリア・アルファタウリ)、2023年10月26日(木) F1メキシコGP
Courtesy Of Red Bull Content Pool

角田裕毅「気持ちが強すぎた」ピアストリとの衝突反省、競争力期待のF1サンパウロでの埋め合わせ誓う

  • Published: Updated:

焦りさえしなければダブルポイント獲得は間違いない状況であったとして角田裕毅(アルファタウリ)は、F1メキシコGPでのオスカー・ピアストリ(マクラーレン)との一件について反省の弁を口にした。

エルマノス・ロドリゲス・サーキットでのレース中盤に角田裕毅はピアストリと激しい7位争いを繰り広げ、残り23周を迎えたターン1でアウト側から仕掛けて接触。ハーフスピンを喫してフィールド後方に転落し、確実視されたポイントを持ち帰る事ができなかった。

ピアストリは中古のミディアム、角田裕毅は新品ハードと、残りの周回数を考えればタイヤ的なアドバンテージは自身にあったものの、角田裕毅は赤旗リスタートを迎えると積極的に追い抜きを狙い、1秒以内の抜きつ抜かれつの肉弾戦を12周に渡って繰り広げた。

スプリントを含め、アメリカGPの週末が特に顕著であったように、ルーキーのピアストリは僚友ランド・ノリスとは異なり、レースペースとタイヤマネジメントに課題を抱えている。機を待つ方法もあった。

今週末のサンパウロGPに先立ち角田裕毅は「メキシコでは2台揃ってポイントフィニッシュできるはずでした。グリッド後方からのスタートを考えれば、僕にとって力強い結果になったはずです」と前戦を振り返った。

「ピアストリとの件に関しては、できるだけ早く追い抜かなければと考えていましたが、その気持ちが強すぎました。今後に活かしたいと思います」

ダニエル・リカルドが予選4番手を刻み、レースで7位フィニッシュを果たした事からも明らかなように、メキシコでのAT04の競争力は驚くほど高かった。

600名近い従業員を失望させた角田裕毅にとっての不幸中の幸いは、挽回のチャンスがすぐに訪れるという事だろう。次戦サンパウロGPはメキシコでの失望のレースから1週間後に行われる。

メキシコでのAT04は「アップグレードが機能し、クルマのパフォーマンスが本当に良かった」として角田裕毅は「インテルラゴスでも競争力が期待できると考えています」と前を向く。

「低速コーナーは僕らのクルマに合うはずなので、集中力を切らさず、より多くのポイントを獲得できればと思っています」

「インテルラゴスはトリッキーなコースですが、スプリント・フォーマットが採用されるため、クルマをセットアップする時間があまりありません。昨年の経験を元に、できるだけ早くクルマを合わせ込めればと願っています」

「第1セクターと最終セクターはかなりの高速ですが、第2セクターが低速コーナーで構成されているため、ミディアム・ダウンフォースからハイ・ダウンフォースが求められます」

「体力的にもかなり厳しいコースなので、特別な準備に取り組んできましたが、カタールGPを問題なく乗り切る事ができたので大丈夫だと思います」

「数少ない反時計回り、殆どが左コーナーという事で若干難易度が高いサーキットですが、ここがタフな最大の理由はステアリングを常に切らなければならないという点にあります」

「高速のターン13とターン14の先に続くメインストレートでさえ、実際にはストレートではありません。常に左に曲がり続けるため、首に負担がかかります。そのため全体的に見て、ここでの1ラップは他のコースより少しハードかもしれませんが、懸命にトレーニングに励んできましたし、体調も良いので心配していません」

「紛れもなく角田裕毅の過失」との指摘

F1サンパウロGP(旧ブラジルGP)の舞台、インテルラゴス・サーキットのコースレイアウト図copyright Formula1 Data

F1サンパウロGP(旧ブラジルGP)の舞台、インテルラゴス・サーキットのコースレイアウト図

「ここでは雨が降ることがよくありますが、僕はドライ・コンディションの週末を望んでいます。その方が戦略がシンプルになって、自分たちのパフォーマンスの最大化に集中できるからです」

「過去にウェット路面のブラジルで走った事があるので、仮に雨が降っても問題はありませんし、準備はできています!」

角田裕毅はまた、SNSを通して「ポイントのチャンスを失って本当に悔しいです。チームに申し訳なく思っています。クルマは素晴らしく、接触までは上手くドライブできていました。ブラジルでの埋め合わせを楽しみにしています」とファンにメッセージを伝えた。

パーマー、角田裕毅の事故を分析


F1サンパウロGP(旧ブラジルGP)は日本時間11月3日(金)23時30分からのフリー走行1で幕を開ける。予選と決勝を含めた全セッションはDAZNフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

F1サンパウロGP特集