ハートレー、ホンダの最新版エンジン早期投入を切望「6戦連続でアップグレードがない状態が続いてる」
トロロッソ・ホンダのブレンドン・ハートレーは、第9戦オーストリアGP以降、チームには目新しいアップデートが投入されておらず、それが競争力低下の一因になっていると主張。早ければ次戦ロシアGPで投入される見通しのホンダの最新スペックエンジンに大きな期待を寄せている。
ハートレーとピエール・ガスリーの二人は、先週行われたF1シンガポールGPで、週末の幕開けからリアエンドのグリップ不足に苦しみ、決勝では2台揃ってポイント圏外でレースを終える事となった。過去数シーズンに渡って競争力を発揮してきた地での不甲斐ない成績に対して、チーム代表のフランツ・トストは「早期の原因究明と対策が必要」と述べ、解決に向けて努力する事を約束した。
ホンダF1の副テクニカルディレクターを務める本橋正充はこの結果について、STR13のピーキーな特性を原因の一つにあげ、路面や風のちょっとした変化にマシン側が対応できずバランスを失ったとの見解を示しており、シーズン序盤から指摘されていた問題が未だ解決していない事を示唆している。
ダニール・クビアトやパスカル・ウェーレインらの名前が来季トロロッソ・ホンダのラインナップとして噂される中、契約更新に向けてレッドブル首脳陣を説得できるだけの成績を残す必要のあるハートレーは、ここ数戦リザルトが思わしくない原因の一つは、マシンに新たな開発物がないためだと語る。
「最後にアップデートが投入されてからかなり長い期間が空いてしまってる。ライバルの連中が僕らよりも少し改善して見えるのはそれが理由だよ」とハートレー。既に6戦連続でアップグレードなしの状態が続いているという。
「オーストリアGPに際に持ち込まれた最後のアップデートはあまり大きな成果を上げていない。パフォーマンスのゲインはそんなに大きくなかったし、今となっては少し時間が空き過ぎてる。いい加減そろそろ次のアップデートが欲しいよね」
ロシアに持ち込まれると噂のホンダSpec3エンジンは35馬力もの向上幅があるとも言われるが、仮に投入されればガスリーもハートレーも共にグリッド最後尾からのスタートを強いられる事になる。ただし、ソチでペナルティを消化する事は、続く10月の鈴鹿日本GPでの活躍を後押しする事になる。
ホンダは第7戦カナダGPでICE=内燃エンジンの改良とMGU-Hの信頼性向上を図ったスペック2を投入。次のスペック3もまた、ICEの性能向上を主眼に置いたものとみられている。ハートレーは、近々ホンダ側とトロロッソ側の両方からアップグレードが投入される予定だと明かしており、チームは母国鈴鹿でのグランプリを前に、ロシアGPでパッケージ全体の大幅な改善を目指す事になる。