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ホンダR&DのF1総責任者を務めている長谷川祐介は、スペインGPに持ち込んだアップデートがパワーユニットの改善に役立っていると語る。ホンダは、低速域のパワーとトルク改善を目指して吸気系に数多くのアップデートを持ち込んだとされる。
13日(土)に行われたF1スペインGPの予選で、地元大観衆の前で印象的な走りを見せたフェルナンド・アロンソは、トップ10のみが進出を許されるQ3に入りフォース・インディア勢とウィリアムズのフェリペ・マッサを上回る7番グリッドを獲得した。予選Q3進出はマクラーレン・ホンダにとって今季初めて。エンジンブローから始まった今週末を考えれば、アロンソの叩き出した7番手という結果は勝利にも等しい圧倒的なパフォーマンスであった。
マクラーレン・ホンダのレーシングディレクターであるエリック・ブーリエも、今日のこの結果はホンダのアップデートなしには不可能であったと語る。過去数戦に渡って悪いニュースばかりが目立っていたホンダにとって久々の朗報ではあるが、長谷川は先頭集団とのギャップは大きくまだまだ引き続き多くの改善が必要だと言う。スペインGP土曜2日目、3回目のフリー走行と予選を振り返ってホンダF1を代表し長谷川がコメントを発表した。
ホンダF1:スペインGP予選後コメント
長谷川祐介ホンダF1プロジェクト総責任者
「まずは、今日のフェルナンドの素晴らしい仕事を賞賛したいと思います。彼は母国の熱狂的な観衆の前で素晴らしい予選を繰り広げてくれました。週末の始まりは難しいものでしたが、フェルナンドとチームはこれを乗り越え、予選に向けた最適なセッティングを見つけるために懸命に仕事をしてきました。7番グリッドという結果は、我々にとって今シーズン初めての予選Q3進出を意味しており、実に勇気づけられるものです」
「フェルナンドの素晴らしい成果に加えて、ここに持ち込んだ小さなアップデートがパワーユニットの改善に役立っていることを確認することができました。とは言え、先頭集団と私たちとの間にはまだ幾らか距離があります。私たちは引き続き努力をし改善しなければなりません」
「ストフェルにとってはマシンのベストバランスを見つけるのに苦労した1日となりました。明日の決勝を19番グリッドからスタートすることは残念です。今日の中段チームの争いは極めて接近していましたので、ストフェルの決勝は厳しいものとなるでしょう。ですが、私は彼が舞い戻り良いレースをすることを確信しています。私たちは努力し続けますし、明日のファンに素晴らしいレースを見せられるよう取り組んでいくつもりです」
アロンソがトップ10に食い込んだ一方で、チームメイトのストフェル・バンドーンは19番手とグリッド最後列に沈んだ。バンドーンは、Q2進出のポテンシャルがあったことは確かだと認めつつも、理由は分からないが上手くいかなかったとのコメントを残している。
決勝での好成績に期待がかかるアロンソは、今シーズンまだ一度もチェッカーフラッグを受けていない。シーズン最初の3戦はリタイア、前戦ロシアGPではトラブルによりレースをスタートすらしていない。マクラーレン・ホンダにとって今季初ポイント獲得も夢ではない2017年F1第5戦スペインGP決勝レースは、日本時間5月14日(日)21時にスタートする。