
”今季無得点”すら見据えるアロンソ―マクホン時代以来の開幕5戦ノーポイント
フェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)は、2025年F1シーズン開幕から5戦を終えて未だに1ポイントも獲得できておらず、今季はこのまま無得点で終わるのではないかとの悲観的な様子を見せた。
F1サウジアラビアGPでアロンソは、ポイント圏内まであと1つの11位でフィニッシュしたが、これは他のドライバーがアクシデントに見舞われたことによる「見かけ上の順位」に過ぎないと冷静に指摘する。
「今日はユーキ(角田裕毅)とガスリーが1周目に接触して、リアム(ローソン)が10秒ペナルティを受けたから11位になれただけであって、本来は14位だったと思う」とアロンソは語った。
昨年からの明確な後退「速さがない」
アロンソは昨年のサウジアラビアGPで5位入賞を果たし、一昨年には3位表彰台にも上がっている。それだけに、今季AMR25の深刻な競争力不足が際立つ。
今シーズンに向けては技術規定に大きな変更はなく、通常であれば各チームとも車体開発の進展によりラップタイムが向上するのが通例だ。しかし、アストンだけは昨年よりもジェッダでのベストタイムが低下しており、明確な後退が浮き彫りとなっている。
22年にわたるF1キャリアにおいて、アロンソが開幕5戦でノーポイントだったのは、2015年のマクラーレン・ホンダ時代と、F1デビューした2001年のミッドランド時代の2シーズンしかない。
アロンソは、「今日は全力を尽くした」として、11位が望みうる最大限の結果であったと主張し、「前の連中のペースに付いていくのは難しかった。僕らのクルマは単純に速さが足りない」と振り返った。
「11位というのは、おそらく(ポイントまであと一歩という意味で)最悪の順位だと思うけど、僕らはこれに慣れなきゃならない。今年はポイントを取るのが厳しいシーズンになるだろうね」
さらに、ポイント獲得のためには「かなり大きなパフォーマンスの向上が必要」だと訴えた。
“弟子”との接触寸前に冷や汗
レース中には、”弟子”であるガブリエル・ボルトレート(ザウバー)と接触寸前の際どい場面もあった。アロンソは自身のマネジメント会社「A14マネジメント」を通して、ボルトレートのキャリアを支援しており、個人的にもメンターとして彼を指導している。
ボルトレートはリアム・ローソン(レーシング・ブルズ)に抜かれた直後、その背後から迫っていたアロンソの存在に気づかず、急なステアリング操作で進路を塞ぎ、結果的にアロンソを壁際に押しやる格好となった。
「あれはギリギリだったね」とアロンソは振り返る。
「僕としても、アウト側に行ったのは確かにリスクのある決断ではあったけど、彼は明らかに僕の存在に気づいていなかった」
「おかげで回避行動を取らなきゃならなかった。その時にコーナーを通過できず彼の前に出てしまったから、すぐにポジションを戻したんだ。ペナルティを避けるためにね。でもまあ、あれは危なかった!」
2025年F1第5戦サウジアラビアGPでは、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)が2番グリッドからの逆転勝利を飾った。2位はマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、3位にはシャルル・ルクレール(フェラーリ)が続く結果となった。
マイアミ・インターナショナル・オートドロームを舞台とする次戦マイアミGPは、現地時間5月2日のフリー走行1で幕を開ける。