
クソ馬鹿野郎―自責の赤旗クラッシュ「正直厳しい」ノリス、巻き返しを悲観
2025年F1第5戦サウジアラビアGPの予選Q3でクラッシュを喫し、10番手に留まったマクラーレンのランド・ノリスは、決勝レースでの巻き返しに対して悲観的な見通しを示した。
ポールポジションを争うQ3は波乱の幕開けとなった。最初にコースインしたノリスは、縁石に乗り上げてバランスを崩し、ターン5でクラッシュ。幸いにも負傷はなく、メディカルセンターでの検査も問題なかったが、事故直後のチームラジオでは自身を「クソ馬鹿野郎」と罵る場面もあった。
ノリスは現在、ドライバーズランキングで首位に立っているが、日曜のレースで首位が入れ替わる可能性は高い。チームメイトで予選2番手を刻んだオスカー・ピアストリは現在、3ポイント差でノリスに迫っている。また、ポールを獲得したマックス・フェルスタッペン(レッドブル)はノリスに8ポイント差の3位につけている。
予選後のインタビューに応じたノリスは、体調を気遣う質問に対し「がっかりしてるけど、大丈夫だよ。ありがとう」と力なく応じたうえで、今回のクラッシュは「愚かなリスク」を冒した結果であり、完全に自分のミスだったと語り、落胆の色を隠さなかった。
「チームに対しては…残念ながら迷惑をかける形になってしまった。あの時点までは週末全体を通して、すごくスムーズでポジティブだったから、こういう形で大きく出遅れてしまって本当に悔しい」とノリスは振り返る。
「でも、受け入れるしかない。チーム、メカニック、エンジニアのみんなには謝ったし、明日に向けて切り替えていくよ」
「クルマには速さがあるし、週末を通してずっといい感触だったから、どうやって巻き返していくか、考えていかないと」
ピアストリがフェルスタッペンにわずか0.01秒差の2番手に食い込んだことは、同じマシンに乗るノリスにとって前向きな材料だが、ノリスは「ここでのオーバーテイクはほとんど不可能に近い」と語り、トップ争いへの復帰は厳しいとの見方を示した。
「そこそこはいけると思うけど、オスカーを見て分かるように、僕らは決して、他のチームを圧倒してるわけじゃない。ジョージ(ラッセル)もオスカーに0.1秒差だったし、マックスはポールだし、トップ争いに食い込むのは正直厳しいと思ってる」
「もちろん、追い抜かなきゃならないクルマが何台か僕の前にいるのは確かだから、トップ5くらいを目指せれば、それで満足かな」
2024年大会では、全50周のレース中に記録されたオーバーテイクはわずか21回にとどまり、そのうちDRSを伴わない追い抜きは6回だった。
2025年F1サウジアラビアGP予選では、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がポールポジションを獲得。2番手にオスカー・ピアストリ(マクラーレン)、3番手にジョージ・ラッセル(メルセデス)が続く結果となった。
決勝レースは日本時間4月20日(日)26時にフォーメーションラップが開始され、1周6175mのジェッダ市街地コースを50周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。