F1サンパウロGP 決勝グリッドとタイヤ戦略考︰角田裕毅を含む4名は柔軟性で有利か

2022年11月12日にインテルラゴス・サーキットで行われたF1サンパウロGPスプリントの1周目の様子Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

日本時間11月14日(月)深夜3時に開始されるF1第21戦サンパウロGPのスターティング・グリッドが発表された。予選結果からの変動および、予想される決勝のタイヤ戦略を見ていこう。

2022年F1サンパウロGP 決勝グリッド

旧ブラジルGPの名で知られるインテルラゴスでの決勝でグリッド降格ペナルティを受けるのはカルロス・サインツ(フェラーリ)のみだ。スプリントを2位フィニッシュしたが、7番グリッドに降格となる。

ドライバー 理由 降格数 SP順位
カルロス・サインツ 6基目ICE投入 5 2

ポールポジションに着くのはスプリント勝者のジョージ・ラッセル。最前列2番グリッドには降格のサインツに代わってルイス・ハミルトンが並ぶ。メルセデスがフロントローを独占するのは昨年のサウジアラビアGP以来、今季初。

以下は暫定のスターティンググリッド。決勝直前に発表される正式版との差異が発生した場合は更新される。予選順位との変動値を合わせて記す。共に11ポジションダウンを喫したアルピーヌ勢が痛ましい。

Pos No Driver Team Qualifying
1 63 G.ラッセル メルセデス 3(+2)
2 44 L.ハミルトン メルセデス 8(+6)
3 1 M.フェルスタッペン レッドブル・RBPT 2(-1)
4 11 S.ペレス レッドブル・RBPT 9(+5)
5 16 C.ルクレール フェラーリ 10(+5)
6 4 L.ノリス マクラーレン・メルセデス 4(-2)
7 55 C.サインツ フェラーリ 5(-2)
8 20 K.マグヌッセン ハース・フェラーリ 1(-7)
9 5 S.ベッテル アストンマーチン・メルセデス 13(+4)
10 10 P.ガスリー アルファタウリ・RBPT 12(+2)
11 3 D.リカルド マクラーレン・メルセデス 14(+3)
12 47 M.シューマッハ ハース・フェラーリ 20(+8)
13 24 周冠宇 アルファロメオ・フェラーリ 17(+4)
14 77 V.ボッタス アルファロメオ・フェラーリ 18(+4)
15 22 角田裕毅 アルファタウリ・RBPT 19(+4)
16 18 L.ストロール アストンマーチン・メルセデス 15(-1)
17 31 E.オコン アルピーヌ・ルノー 6(-11)
18 14 F.アロンソ アルピーヌ・ルノー 7(-11)
19 6 N.ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 16(-3)
20 23 A.アルボン ウィリアムズ・メルセデス 11(-9)

F1サンパウロGPの決勝レースはDAZNフジテレビNEXTで生放送・ライブ配信される。

想定されるタイヤ戦略と天気

インテルラゴス・サーキットを71周する事で争うF1サンパウロGP。ピレリのシミュレーションによると、理論上最も速いのはソフトとミディアムを使った2ストッパーだ。

2ストップ戦略の場合は2種類が考えられる。第1スティントをソフト(18~25周)、第2スティントをミディアム(25~45周)とする点は同じで、最終スティントをソフトにするかミディアムにするかで分かれる。

土曜のスプリントでは2台を除く全車が24周をソフトで完走した。大半のチームは決勝でもスタートタイヤにソフトを選んでくる事が予想される。

Courtesy Of Aston Martin Lagonda Limited

サイド・バイ・サイドでやり合うアストンマーチンのランス・ストロールとセバスチャン・ベッテル、2022年11月12日F1サンパウロGPスプリント

第2スティントのミディアムが上手く機能すれば再びミディアムを履く事になるだろう。そうでない場合はソフトを選ぶ事になる。

ただし、セルジオ・ペレス(レッドブル)、セバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)、ランス・ストロール(アストンマーチン)の3名はソフトが1セットしか残っていないため、後者の戦略を採る事はできない。

逆にマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、ダニエル・リカルド(マクラーレン)、角田裕毅(アルファタウリ)、ニコラス・ラティフィ(ウィリアムズ)の4名は新品ソフトを2セット温存している。どちらの戦略を採る事も可能で、柔軟性という点でアドバンテージがある。

Courtesy Of Red Bull Content Pool

アルファロメオ勢、ニコラス・ラティフィ(ウィリアムズ)と争う角田裕毅(アルファタウリ)、2022年11月12日F1サンパウロGPスプリント

夜にかけて天候が悪化する予報ではあるものの、レース時間帯の日曜のサンパウロは概ね日差しに恵まれ、気温は30度近くにまで達する予報となっている。つまり今週末の中で最も熱いコンディションになる可能性がある。

路面温度が上昇すれば、ソフトよりもミディアムの方がコンディションにマッチする事が予想される。

スプリントではフェルスタッペンがミディアムのデグラデーションに大苦戦したが、ピレリのモータースポーツ部門を率いるマリオ・イゾラは「距離が短かったためミディアムのパフォーマンスを評価する事はできなかった」と指摘。決勝では「様々な戦略」が見られるだろうと予想する。

その中にはミディアムあるいはソフトでスタートしてハードタイヤに履き替える1ストッパーも含まれる。第1スティントを28周目前後にまで引っ張る事ができれば選択肢の一つとなり得る。

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