ハミルトン「酷かった!欠片も楽しくなかった」角田とルクレールに為す術なく…決勝に向けお手上げのメルセデス
F1サンパウロGPスプリントで角田裕毅(アルファタウリ)とシャルル・ルクレール(フェラーリ)にゴボウ抜きにされたルイス・ハミルトン(メルセデス)は「酷かった! 欠片も楽しくなかった」と苦笑いを浮かべた。
7度のF1王者がフィニッシュしたのは、カスタマーチームのマクラーレンを駆るランド・ノリスが2位チェッカーを受けた30秒後の事だった。インテルラゴスの24周でこれほどの差がついたのは屈辱的だろう。決勝のレースディスタンスで考えると周回遅れになってしまう。
好スタートを切ったハミルトンはオープニングラップのターン4でセルジオ・ペレス(レッドブル)を仕留めて4番手にポジションを上げたものの、4周目を過ぎると一気にペースが低下。ペレスに順位を奪い返されてしまった。
そして残り4周となった21周目の序盤にルクレールにオーバーテイクを許し、同じラップの最終盤には、つい先日までコンストラクターズ選手権最下位に沈んでいたアルファタウリを駆る角田裕毅に前を許した。
レースを終えたハミルトンは「酷かった! 欠片も楽しくなかった」と苦笑した。
「スタートは良かったけど、その後は兎に角、バランスに苦しんだ。アンダーステアが酷いと思ったら、次にスナップ・オーバーステアが出てしまい、兎に角、序盤からクルマと格闘する状況だった」
「最後はタイヤがなくなってしまった。…明日に向けてどう立て直せばいいのか分からないよ」
初日の予選でガレージアウトした段階で既にクルマはパルクフェルメ下にある。セットアップを変更する事はできない。
日曜のレースについてハミルトンは「長い午後になるのは間違いない。セットアップを間違えたとした思えない。でもどうしようもない」と語る。
「明日は全力で戦うけど、勝つのは無理だと思う。タイヤを上手くマネジメントできるかどうか、兎に角、試してみるよ」
一時は2番手を走りながらも、最終的に4位でレースを終えた僚友ジョージ・ラッセルも困惑気味だった。
「折り合いをつけるのが難しい。本当に混乱してる」とラッセルは語る。
「残念ながら(前戦メキシコに続いて)今回もタイヤをスイートスポットに入れる事ができなかった。特に直近の2つの週末は、タイヤが作動するタイミングを誰も理解できていないんだ」
「先週末の予選ではフェラーリが、そしてレースでは僕らがそれをやってのけてパフォーマンスを発揮したわけだけど、かなり期待していたのに今日の僕らにはペースがなかった」
「だから明日がどうなるかは分からない。今の時点では、あまり楽観的に考えていない。コンディションが異なれば全てがひっくり返る可能性もあるけどね」
チーム代表を務めるトト・ウォルフは「リアが少し弱すぎたように思う。ギリギリのところでバランスを保っている状況だった」と振り返り、「魔法のネジを回せばすべてがうまくいくというものではないと思う」と付け加えた。
この日の路面温度は50℃を優に超えていた。この暑さがメルセデスに対して不利に働いた可能性は高そうだ。日曜は土曜より気温が下がる予報となっている。
2023年F1サンパウロGPスプリントではマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が逆転勝利を飾る結果となった。
決勝レースは日本時間11月5日(日)26時にフォーメーションラップが開始され、1周4,309mのインテルラゴス・サーキットを71周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。