バーレーン・インターナショナル・サーキットのパドックを歩くホンダF1の現場統括責任者を務める田辺豊治テクニカル・ディレクター
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ホンダF1、パワーが重要なアウタートラックで全車TOP9の好発進「データ解析のうえ予選に向けて更に前進したい」

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ホンダF1の現場統括責任者を務める田辺豊治テクニカル・ディレクターが12月4日(金)に行われた2020 F1第16戦サクヒールGP初日プラクティスを振り返った。

ホンダ製F1パワーユニットを搭載するレッドブル及びアルファタウリは2回のセッションで共に全車がトップ10を堅持。エンジンパワーが要求されるバーレーン・インターナショナル・サーキットのアウタートラックで好調なペースを披露した。

順位 ドライバー タイム
2 マックス・フェルスタッペン 11:02.400 +0.128 43
5 アレックス・アルボン 51:50.400 +0.323 42
6 ダニール・クビアト 37:55.200 +0.355 58
9 ピエール・ガスリー 11:31.200 +0.420 48

国際レース初登場となったバーレーンのアウタートラックはロングストレートの連続でブレーキングポイントはわずか4か所と、ラップタイムにおけるパワーユニットの影響が大きい。

FP1ではターン2でスピンを喫したアレックス・アルボンが早めに走行を切り上げたものの3番手をキープ。マックス・フェルスタッペンが2番手につけ、アルファタウリ勢もダニール・クビアトが5番手、ピエール・ガスリーが6番手と、ホンダパワー全車がトップ6の好発進を切った。

FP2ではレーシングポイントのセルジオ・ペレスとルノーのエステバン・オコンがギアアップ。フェルスタッペンは2番手を連取したもののアルボンは僚友からコンマ2秒落ちの5番手となり、6番手クビアトに0.032秒差まで詰め寄られた。ガスリーは珍しく2セッション共チームメイトに先行を許し9番手でクルマを降りた。

予選に向けて期待が掛かるところだが、フェルスタッペンが指摘する通りメルセデスとのギャップはタイムシートの見た目以上に大きい。田辺豊治テクニカル・ディレクターは「悪くない状況」であるとしながらも、シャシー側もパワーユニット(PU)側もセットアップが煮詰めきれていないとして、データ解析のうえ予選に向けて更にパフォーマンスを上げていきたいとした。

Honda:F1サクヒールGP初日

田辺 豊治ホンダF1現場責任者

今日のサヒールGP初日はトラブルフリーで、順調なスタートを切ることができました。初走行のサーキットレイアウトなので、今日はシミュレーションを元にした設定でスタートし、実際の走行状況に合わせて最適化を進めました。

まだ初日を終えたばかりの段階ですが、ホンダ製F1パワーユニットを搭載する4台はFP1でトップ6を、FP2ではトップ10圏内を確保出来ており、悪くない状況だと考えています。ですが、PUも車体もまだまだセットアップが煮詰めきれていませんので、ここからデータをさらに解析して明日に備えます。

事前に想定していた通り、全長が短いことからプラクティスでもトラフィックの影響を受ける場面が見られました。予選に向けては、セットアップの改善に加えてピットマネージメントなどにも考慮し、チームと準備を進めます。


初日をトップで締め括ったのはルイス・ハミルトンの代役に起用されたジョージ・ラッセル(メルセデス)。2番手のマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)を0.128秒差で退けた。3番手には0.153秒遅れでセルジオ・ペレス(レーシングポイント)が続く結果となった。

F1サクヒールグランプリ3回目のフリー走行は日本時間12月5日(土)23時から、公式予選は同6日(日)2時から1時間に渡ってバーレーン・インターナショナル・サーキットのアウタートラックで開催される。

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