”土壇場の指示”とレ・コームが招いた規則違反…F1ベルギーGP初日フリー走行で処分4件

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2026年F1第10戦ベルギーGPの初日フリー走行を経て、ペドロ・ラミーを含む5人のスチュワードは、セッション中に発生した4件のインシデントについて、それぞれ処分を科す決定を下した。

カルロス・サインツ(ウィリアムズ)はピットエントリーの白線を横切ったとして、ニコ・ヒュルケンベルグ(アウディ)はダブルイエローフラッグ下で十分に減速しなかったとして、それぞれドライビングに関する戒告処分を受けた。

フェラーリは、ルイス・ハミルトンとシャルル・ルクレールに割り当てられたタイヤを所定の期限までに返却しなかったため、それぞれ5000ユーロ、合計1万ユーロ(約186万円)の罰金を科された。

「土壇場の指示」が招いたピット白線横断

ピットガレージに止まるカルロス・サインツのウィリアムズFW48の左フロントタイヤとフロントウイングを捉えたディテール、2026年7月17日(金) F1ベルギーGPフリー走行(スパ・フランコルシャン)Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

ピットガレージに止まるカルロス・サインツのウィリアムズFW48の左フロントタイヤとフロントウイングを捉えたディテール、2026年7月17日(金) F1ベルギーGPフリー走行(スパ・フランコルシャン)

サインツはFP1で、第1セーフティーカーラインの脇に設置されたボラードの右側を通過してピットレーンに向かった直後、左へと進路を変え、白線を横切ってコースへ戻った。

レースディレクターのルイ・マルケスは週末に先立ち、「ボラードの右側を通過したドライバーは、ピットレーンに進入したものとみなされる」と勧告していた。一度ピットレーンに進入したマシンは、走路との境界を示す白線を横切ってはならないと定められている。

スチュワードによると、サインツは当初、エンジニアからピットに入るよう指示されていた。だが、ボラードの右側を通過した直後、エネルギーを回生するため、コースに戻るよう土壇場で指示が変更された。

サインツは違反を認めたうえで、そのままピットに戻った場合、バッテリー残量の不足により、コースに復帰した後の数周をエネルギー回生のために失うことになると判断したと釈明した。また、コースに戻る前にミラーを使って後続車がいないことを確認しており、危険な行為ではなかったとも主張した。

スチュワードは、実際に危険な状況は生じなかったと認めた。一方で、白線の横断が禁止されているのは、潜在的に危険な状況が生じることを防ぐためだと強調。土壇場で指示が変更されたことに理解を示しながらも、サインツ自身が「競技上の不利益」を避けるために違反したと認めたことから、今季初の戒告処分を科した。

認識困難な状況が考慮された黄旗無視

サングラス姿のニコ・ヒュルケンベルグ(アウディ)、2026年7月16日(木) F1ベルギーGPメディアデー(スパ・フランコルシャン)Courtesy Of Audi

サングラス姿のニコ・ヒュルケンベルグ(アウディ)、2026年7月16日(木) F1ベルギーGPメディアデー(スパ・フランコルシャン)

FP1でヒュルケンベルグは、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)がレ・コーム(ターン5)の入口で停止した際に提示されたダブルイエローフラッグ下で、十分に減速しなかったとして審議対象となった。

データによると、ダブルイエローが提示されたのは、ヒュルケンベルグが該当するマーシャリング区間に入り、停止したピアストリのマシン脇を通過した後だった。このため、当該区間に進入する前に対応する術はなかった。

ヒュルケンベルグは、コース脇の黄旗や黄色のライトパネルを確認できず、ダブルイエロー区間にいるとは認識していなかったと説明した。

一方、ターン6のエイペックスに接近した際には、ステアリング上に黄色の警告が表示され、タマンムディ(ターン7)には黄旗区間の終了を示す緑色のライトパネルが点灯していた。ヒュルケンベルグは、これらを見てスロットルを緩めたものの、前方には危険を示すものが見えなかったと説明した。

スチュワードは、レ・コームのシケイン区間で方向転換を続けるなか、警告灯を認識できる機会は限られていたと判断。ダブルイエロー区間にいることを認識していなかったとするヒュルケンベルグの説明を受け入れ、それを考慮し、今季2回目となる戒告処分にとどめる決定を下した。

手違いによるタイヤ未返却で二重罰金

ピットレーンでタイヤ交換に備えるフェラーリのクルー、2026年7月17日(金) F1ベルギーGPフリー走行(スパ・フランコルシャン)Courtesy Of Ferrari S.p.A.

ピットレーンでタイヤ交換に備えるフェラーリのクルー、2026年7月17日(金) F1ベルギーGPフリー走行(スパ・フランコルシャン)

フェラーリはFP2のセッション開始前までに、システム上ではタイヤの返却処理を済ませていたものの、実物をピレリに返却せず、F1規則第B6条4項2号に違反した。

フェラーリのチーム代表者は聴聞で、手違いがあったこと及び違反の事実を認めた。これを受け、スチュワードは1件につき5000ユーロ、2件で合計1万ユーロの罰金を科した。

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