エンジニアとの会議に臨むルイス・ハミルトン、2021年9月23日F1ロシアGPにて
Courtesy Of Daimler AG

ルイス・ハミルトン、ソチでの4基目投入はある? フェルスタッペン降格の好機を「最大限に活かす必要がある」

  • Published:

メルセデスのルイス・ハミルトンは、5点差で選手権をリードするマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)がエンジン交換ペナルティによって日曜のレースを最後尾からスタートする事について「僕らにとっては何も変わらない」とする一方、チャンピオンシップ争いで優勢を築く好機だと認める。

F1ロシアGPの初日セッションを終えて、フェルスタッペンのペナルティの影響について聞かれたハミルトンは「僕らにとって大きな違いはない。自分の仕事に取り組み、パフォーマンスに集中するだけさ」と語った。

「今年は信頼性という点で誰にとっても厳しいシーズンだと思う。彼にとっては間違いなく残念な事だ」

「でも、僕らとしてはこれを活かして最大限のリザルトを持ち帰る必要がある。ワンツーを達成できればチームとして最高の結果になるだろうね」

チャンスを「活かす」ための方法は、何も予選でフロントローを独占してそのまま1-2フィニッシュを飾る事に留まらない。

ハミルトンはソチでの開幕を前に今週末で新しいエンジンを卸す計画はないと主張していたが、その後、事態は大きく変わった。フェルスタッペンの後退がメルセデス陣営に対し、ハミルトンへの4基目投入を促す可能性はゼロではないだろう。

ドライコンディションの中で行われた初日プラクティスでは、2回共にメルセデスが1-2体制を築いた。ソチでのシルバーアローのアドバンテージの大きさは今季も変わらず、フェルスタッペン以上に巻き返しは容易と考えられる。

とは言え、2日目が大雨となり走行機会が限られてしまうと、載せ替え後にぶっつけ本番でレースに臨まなければならなくなる。初日に早々と4基目投入を決断した理由についてクリスチャン・ホーナー代表が「ドライコンディションにおいてデータやマッピングを確認したかったから」と説明していたように、それはあまりにリスキーだ。

またレッドブル・レーシングのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコはトルコGP、アメリカGP、メキシコGPのいずれかの週末にハミルトンがペナルティを消化するものと見ている。

その理由としてヘルムート・マルコは、これらはいずれもレッドブル・ホンダ優勢のコースであり、フェルスタッペンが今回エンジン交換を行ったのはソチ・オートドロームがメルセデス優勢のサーキットだからと説明している。

なお初日にトップタイムを連取したのはバルテリ・ボッタスの方で、ハミルトンはチームメイトに遅れを取っていたが、両者を直接比較する事は適切ではない。2台は異なるセットアップを試していた。

「僕とバルテリは大きく異るセットアップを使っていた。どちらがベストなのかを見極めるためにね」とハミルトンは説明する。

「僕の方はセットアップの方向性が間違っていたようだ。FP1の最初の走行では最高の状態だったんだけどね」

「だから今夜はその点について分析して、正しい道に戻るための方法を考える事になると思う。でも、週末のスタートとしては上手くいったように思う」

セットアップを分けた理由の一つは天候だ。予選が行われる2日目はウェットコンディションが予想される一方、決勝レースはドライで行われる可能性がある。

「明日はかなりの雨が降るみたいだし、酷いウェットになる可能性がある」とハミルトン。

「ただ、日曜はドライになる可能性があるから、その点においてセットアップをどうするかは興味深いね」

F1ロシアグランプリ3回目のフリー走行は日本時間9月25日(土)18時から、公式予選は同21時から1時間に渡ってソチ・オートドロームで開催される。

F1ロシアGP特集