
不運の”三連チャン”「問題が出るのはいつも僕の方」とラッセル、勝利を逃した4位の裏側/F1日本GP決勝
アンドレア・キミ・アントネッリが2戦連続のポール・トゥ・ウインでF1史上最年少チャンピオンシップリーダーに浮上した2026年のF1日本GP。その華やかな勝利の裏側で、メルセデスの僚友ジョージ・ラッセルは、全く対照的な午後を過ごしていた。
セーフティーカーのタイミング、回生上限到達による電力不足、そしてソフトウェアのバグという3つの不運が連鎖し、勝利に手が届く位置にいたラッセルは4位でフィニッシュした。
「1周早ければ、勝利は僕のものだった」
2番手スタートのラッセルは、メルセデス勢を襲ったスタートの蹴り出しの悪さで順位を落としたものの、その後挽回して一時は2番手に復帰。首位を快走するオスカー・ピアストリ(マクラーレン)を視野に入れた。
21周目、メルセデスはピアストリのアンダーカットを防ぐためラッセルをピットに呼び寄せた。ところがその1周後、オリバー・ベアマン(ハース)のクラッシュによりセーフティーカー(SC)が導入される。
ステイアウトしていたアントネッリがこの好機を活かして最小限のロスタイムでピット作業を終えた一方、1周前にタイヤ交換を済ませていたラッセルはコース復帰時点でアントネッリとピアストリに先行を許す3番手に後退した。
ラッセルは「もしSCが1周早く導入されていれば、勝利は僕のものだった。それには自信がある」と悔しさを露わにした。
エンジニアリング・ディレクターのアンドリュー・ショブリンも「キミの幸運は、ジョージにとっては不運だった。あと1周ステイアウトしていれば、リスタート時も首位を維持できていただろう」と分析する。
開幕戦を制したラッセルに対し、中国と日本で連勝したアントネッリ。チームとしての開幕3連勝という快挙の影で、ラッセルはチームメイトに対して9ポイントのビハインドを背負うこととなった。
リスタートを襲った電欠とバグ
だが、ラッセルの受難はSCだけで終わらなかった。SC解除後のリスタートでは、バッテリー残量が必要な局面でエネルギー回生量の上限に到達し、電動パワーが得られずルイス・ハミルトン(フェラーリ)に先行を許した。
さらにソフトウェアのバグが追い打ちをかけた。ショブリンによると、ボタン操作とシフトチェンジが同時に行われたことで、システムがPUをスーパークリップ・モードに設定するという想定外の挙動を起こした。
バッテリー充電モードに入った結果としてラッセルは加速力を失い、シャルル・ルクレール(フェラーリ)にも先行を許すこととなった。
こうして3番手から一気に5番手まで後退したラッセルだったが、そこから気力を振り絞ってハミルトンを抜き返し、終盤にはルクレールと数周にわたる激しい表彰台争いを展開。最終的に4位でフィニッシュした。
ラッセルは一連の不運についてこう語っている。
「今のところ、次から次へと問題が起きている。レースでは流れが味方することもあれば、逆風になることもある。でも今のところ、起きているすべての問題は僕の側のガレージで起きていて、その痛みを味わっているのは僕なんだ」