ルノーF1「R.S.19」の正面図
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ルノーF1、車体及びエンジン部門を再編…2021年から始まる新時代を見据えて体制を強化

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2021年に幕を開けるF1新時代での躍進を目指し、ルノーF1チームが組織改編に着手した。新しく3名のマネジメント職を創設し、フランスとイギリスにあるエンジン及びシャシーの両部門を再編。技術部門を強化する。

現行のF1レギュレーションは2020年を以てその役割を終え、2021年からは新しい商業協定並びに技術規約が適用される。ルノーはワークス復帰した2016年に、チャンピオンシップ争いへの返り咲きを長期目標として掲げたが、4シーズン目を迎えた今年も3強に割って入る事は出来ず、4戦を終えてコンストラクター7位に甘んじている。

ヴィリー=シャティヨンに位置するエンジン開発拠点には2つの役職が新設され、2019年8月1日付けでクリストフ・マリーがエンジニアリング・ディレクターに就任。これに先立って、ステファン・ロドリゲスがプロジェクトディレクターと購買部門責任者に任命された。二人はエンジン・テクニカル・ディレクターのレミ・タフィン直属の部下として、エンジン開発の一端を担う。

クリストフ・マリーはフェラーリF1で14年間、メルセデスHPEで4年間に渡って技術職を務めた後、PSAグループのモータースポーツ部門であるPSAモータースポーツに移籍。システムチーフ兼パワートレイン・エンジニアとして勤務していた。

ステファン・ロドリゲスは、2001年にルノー・スポール・レーシングに加入。信頼性部門のヘッドからテスト部門のヘッドまで、さまざまなポジションを歴任した後、現在はプロジェクト・マネージャーとして、最新世代のV8エンジンとハイブリッド・パワーユニットを担当している。

車体の開発を担当する英国エンストンのファクトリーには、昨年メルセデスから引き抜いたマット・ハーマン(現副チーフデザイナー)がエンジニアリング・ディレクターに昇進。技術責任者を務めるニック・チェスターの直属としてシャシー開発を担当する。

マット・ハーマンはメルセデスAMG HPPで11年、メルセデスAMG F1で7年以上に渡ってパワートレイン統合とトランスミッション設計の責任者を務めた後、2018年に副チーフデザイナーとしてルノーF1チームに移籍した。

新たにディレクター職に就いた3名は、ルノーF1チームの取締役として経営に参画。ルノーは声明の中で、今回の組織再編によってニック・チェスターとレミ・タフィンの両名をパフォーマンス追求に注力させる、としている。