ダニエル・リカルドとヘルムート・マルコ
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ホンダF1の来季大躍進を予想するレッドブル「勝利への決意に感銘」…だが、その背景にあるのは。。

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レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、来シーズンのホンダがライバルチームやファンをアッと驚かせるようなパフォーマンスを発揮すると予想、大躍進が起きても何ら不思議ではないと強調する。

マルコはF1公式サイトに対して、ホンダの勝利に対する決意とエンジン開発拠点の施設に大いに感銘を受けたと述べるとともに、大躍進を確信している証拠として「トロロッソ・ホンダ」の契約を挙げた。レッドブルの姉妹チームであるトロ・ロッソは、3年もの間、信頼性と競争力不足に苦しんだホンダを18年からの新たなパートナーとして選んだ。

「トロ・ロッソとホンダとの提携に本当に満足しているよ」とマルコ。「トロ・ロッソは競争力のあるシャシー開発に全力で取り組む事になる。我々は心の底からホンダを信じてるんだ。そうでなければトロ・ロッソとの契約を結んだりしないさ。彼らの設備や勝利への決意には本当に感銘を受けたよ」

マルコは、ホンダは既に競争力を発揮する上で必要なあらゆる要素を持ち合わせており、唯一足かせとなっているのは”まとめ上げる事”だけだと主張、レッドブル・ホンダ誕生に向けて大きな期待を抱いていると述べた。

「(ホンダが躍進する上での)問題は全てをまとめ上げる事、それに尽きる。ただそれだけの話なんだ。皆が考えている以上にその時は近いはずだ。2019年以降にはどんな可能性もあるわけだから、ホンダの状況に注視していくよ」

シーズンオフの冬休みに入って以降、マルコのホンダ押しは加速の一途を辿っている。その背景にあるのは、ホンダへの期待というよりもむしろ、ルノーへの牽制の意味合いが大きい。今季ルノーエンジンは信頼性よりもパワーを優先した結果、レッドブルに計13回ものリタイヤを強いることになった。

「数多くの信頼性の問題に見舞われてしまったため、ルノーは更なるパワー開発が出来なかった。皆がよく知っているようにね」

「10回以上ものリタイヤを強いられたんだ。このとんでもない数字が全てを物語っている。信頼性の問題さえなければ、我々は両方のチャンピオンシップで大幅に躍進していただろう。(フェラーリを抜く)2位は可能だったはずさ」

「信頼性の高いパワーユニットがあれば良かったんだが、実際にはそうではなかった。馬力があればメルセデスにもっと近づけただろうがね」

レッドブル陣営は、ホンダという別の選択肢をちらつかせる事で、現在のPUパートナーであるルノーに対し強力な交渉カードを持つことになる。