レッドブルのF1車高調整「3年以上」に渡って搭載されていたことが判明…疑惑を「妄想」と一蹴しマクラーレンに反撃するホーナー
F1第19戦アメリカGPで物議を醸している車高調整装置が、「3年以上」に渡ってレッドブルの歴代F1マシンに搭載されていたことが判明した。レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表が明らかにした。
2024年型RB20に搭載されているこのデバイスは、フロア前部の「ビブ」あるいは「Tトレイ」と呼ばれる箇所の車高を変更するためのもので、マクラーレンは、レッドブルがこれをパルクフェルメ下で違法に使用していたのではと追求している。
マクラーレンのザク・ブラウンCEOは金曜のCOTAで、この問題に関する「徹底的な調査」を求めるとともに、レッドブルが規則違反を犯したと判断された場合には「甚大な措置」が必要であると主張した。
また、「クルマが完全に組み立てられ、走行可能な状態になると、その装置は使用できなくなる」とのレッドブルの主張にも拘わらず、パルクフェルメ下で使用できないよう、FIAが問題の装置に封をしたことに触れ、規則違反に対する懸念を強調した。
ホーナーは金曜のスプリント予選を前に、このツールは「3年以上」に渡ってシャシーの前方部分に搭載されているもので、ペダルやその他のパネルを取り外さないとアクセスできず、パルクフェルメ下で使用することは物理的に不可能だと説明した。
また、FIAが封をしたことについては、それが「FIAの仕事」であり、また、「ライバルチームの1つから、ちょっとした文句が出たからだ」と説明した。
さらに、「これはオープンソースのコンポーネントのリストに載っており、過去3年に渡って公にされてきた。FIAはこれに満足している。単に、パドックのどこかで妄想されただけのことだろう」とも語った。
ホーナーは、RB20の調整デバイスに対する批判を通じて、マクラーレンが自らのマシンの合法性に関する問題から注意を逸らそうとしていると考えている。
「時として、自分の家で起きている問題から目を逸らすために、他の場所で火事を起こそうとすることがある」とホーナーは指摘し、アゼルバイジャンGPを経て、一部で「ミニDRS」とも呼ばれたリアウイングの変更を強いられたマクラーレンに言及した。
マクラーレンの主張とは対照的に、統括団体のFIAは、この件を軽視している。
FIAのシングルシーター・ディレクターを務めるニコラス・トンバジスは、一件についてはシンガポールGPで報告を受けたものの、パルクフェルメ下で何か不正が行われていた証拠はなかったとして、現時点では「取るに足らない話」であると断言した。
また、「当然のことながら、熾烈なチャンピオンシップ争いが繰り広げられているため、人々は互いのクルマに対して大いに熱くなるものだ」とも指摘した。
マクラーレンのランド・ノリスに52ポイント差をつけて選手権首位に立つマックス・フェルスタッペン擁するレッドブルは、FIAとの協議を経て、クルマの変更を含む計画に合意したことを木曜に発表した。