フェルスタッペンとノリスのコンビは「理想的に非ず」とレッドブル、電撃移籍は非現実的か
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マックス・フェルスタッペンとランド・ノリスのコンビを期待するのは難しいかもしれない。レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコは23歳の英国人ドライバーの才能を称賛する一方、両者によるドライバーラインナップは「理想的ではない」と語った。
ノリスは2020年のF1デビュー以来、一貫して印象的なパフォーマンスを発揮してきた。表彰台を逃したシーズンはなく、2021年と2022年にはチームメイトで元レッドブルの名手、ダニエル・リカルドを圧倒。今季もイギリスとハンガリーで2位フィニッシュを飾り、ファンの喝采を浴びた。
レッドブルは、フェルスタッペンが前半12戦で10勝を挙げチャンピオンシップ争いをリードする一方、チームメイトのセルジオ・ペレスは僅か2勝に留まり、125ポイントもの大差で遅れを取っている。
ノリスとレッドブルは以前から継続的に接触を繰り返してきた。マクラーレンとノリスの契約は2025年末まで有効だが、ザク・ブラウンCEOが離脱条項の存在を否定する一方、ノリスは契約の途中解除が可能と仄めかしており、状況次第ではペレスの契約が切れる2024年末に他チームに移籍する可能性もある。
仮にノリスがペレスの後任として英国ミルトンキーンズのチームに加われば、パフォーマンス面でもマーケティング面でもレッドブルにとってプラスになりそうなものだが、チームメイト同士の衝突を避けるためにドライバーの間には明確な上下関係が必要だとしてマルコは、その可能性に否定的だ。
独「Motorsport Magazin」とのインタビュー中でマルコは「それは観客やテレビ、ジャーナリストにとっては間違いなく理想的だろうが、チームのリーダーシップや成功にとっては理想的ではない。我々はチームとして世界選手権で勝ちたい。そのためにはある程度のヒエラルキーがあった方が良い」と語った。
「誰がナンバー1ドライバーとは言いたくないが、どちらが明らかに速いのかを明確にするようなヒエラルキーがある方が好ましい」
確かにペレスは2度のF1ワールドチャンピオンに相手に遅れを取っているが、予選を上手くこなせば2位を確保する可能性は高い。一方でノリスがチームに加われば、フェルスタッペンとの激しいトップ争いを頻繁に繰り広げ、その最中に同士討ちという場面が起きるかもしれない。
「チーム全体の雰囲気や競争力が損なわれてはならない。このようなスターが2人揃っている場合、例えば過去にセナとプロストは上手くいかなかった。彼らは自分たちの事だけを考え、チームの事は二の次だった」とマルコは指摘した。
レッドブルはドライバーマネジメントの難しさを身を以て知っている。2013年マレーシアGPでの悪名高き「マルチ21」事件に象徴される様に、レッドブルはマーク・ウェバーとセバスチャン・ベッテルの衝突に神経をすり減らした。
ペレスの後任として名前が挙がるダニエル・リカルドや角田裕毅はどうだろうか? 甘んじて”ヒエラルキー”を受け入れつつも高い競争力を発揮し、自身よりもチームとしてのリザルトを追求できるドライバーだろうか。