
レッドブル、ラッセルと非公式協議か―フェルスタッペンを軸に動き出す“F1シートの椅子取りゲーム”
ジョージ・ラッセル(メルセデス)とレッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーが、2026年シーズンに向けた選択肢を模索するため協議を行ったと報じられ、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)の動向に一層の注目が集まっている。
フェルスタッペンは2028年末までレッドブルと契約を結んでいるが、特定の条件下で契約を解除できる条項が存在することが判明している。その条件は、サマーブレイクの時点でドライバーズ選手権3位、あるいは4位以下だった場合に効力を持つと噂されている。
一方、ラッセルは開幕5戦で3度の表彰台を獲得するなど、好調な滑り出しを見せており、ドライバーズ選手権では首位に26ポイント差の4位。また、僚友アンドレア・キミ・アントネッリに対しては35ポイント差をつけており、メルセデス内でも明確なリードを築いているが、依然として契約延長には至っていない。
2026年に向けたフェルスタッペンの去就に関しては、メルセデスへの移籍に加え、アストンマーチン加入の可能性も取り沙汰されている。後者については、サウジアラビアの政府系ファンド「パブリック・インベストメント・ファンド(PIF)」による資金的支援が報じられており、総額3億ドル(約427億円)の3年契約の可能性が報じられている。
さらにサウジアラビアGPの週末には、フェルスタッペンが2026年に1年間のサバティカル(休養)を取るのではないかという大胆な噂も浮上した。2026年の新たなレギュレーションによって勢力図が大きく変わる可能性を見据えたうえで、1年の休養期間を設け、その変化を見極めたうえで、2027年に最も有利なシートで復帰するという戦略的な選択肢がささやかれている。
こうした中、レッドブルがフェルスタッペンの離脱を見越して、ラッセルに対してオファーを出し、メルセデスからの引き抜きを図っている可能性があるとの興味深い憶測が新たに報じられた。
英専門メディア『The Race』によれば、ホーナーとラッセルは2026年に向けた契約の可能性について「ここ数週間のあいだに何度か非公式な話し合い」を行ったとされる。現時点では本格的な交渉は始まっていないものの、互いの状況については一定の理解があるとされ、2026年シーズンに向けて水面下で市場が動き始めている可能性を報じた。
現時点では、これらすべてが仮説の域を出ず、最終的な鍵を握るのは今夏時点でのフェルスタッペンの成績と、彼自身の決断となるだろうが、各チームの契約状況的にはほぼ動きがないはずの2026年に向けたF1マーケットは、状況次第で一気に動き出す可能性も十分にありそうだ。
マーケットの動向を読み解くうえでの次の鍵は、7月のイギリスGPだ。ラッセルが現在の調子を維持しながらも、母国での契約更新が発表されなければ、さらなる憶測が飛び交うことは必至だ。