大量の水しぶきを上げながらサイド・バイ・サイドでターン1に向かうマックス・フェルスタッペン(レッドブル)とシャルル・ルクレール(フェラーリ)、2022年10月9日F1日本GP決勝レース1周目
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遅延・混乱…F1レースを損なう雨、フェルスタッペンとルクレールが指摘する2つの問題点とは?

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雨が降るたびにレースが中断し、再開の見通しが立たず、混乱が生じるような状況を防ぐためにはどうすれば良いのか? マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は雨用タイヤの性能改善が必要だと提言した。

フェルスタッペンが2度目のチャンピオンを勝ち取ったF1日本GPでは、1周目のインシデントを経て雨のために2時間以上に渡って赤旗中断を強いられた。ファンは寒く濡れた状態で、いつ訪れるとも分からないリスタートを待ち続けた。

赤旗中断中の鈴鹿サーキットのピットレーンとグランドスタンド、2022年10月9日F1日本GP決勝レースCourtesy Of Alfa Romeo Racing

赤旗中断中の鈴鹿サーキットのピットレーンとグランドスタンド、2022年10月9日F1日本GP決勝レース

早々にレッドフラッグが振られるような状況であったにも関わらず、グリッドに着いた全てのマシンが履いていたのは深溝のエクストリームではなく、浅溝のインターミディエイトタイヤだった。ウォームアップとパフォーマンスの観点から敬遠されたのだ。

レース再開時には装着義務があったため、全車がエクストリームを履いたものの、セバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)とニコラス・ラティフィ(ウィリアムズ)がメインストレートに向かわず即座にタイヤ交換を行ったように、各車は早々にインターに履き替えた。

雨の鈴鹿でのレースを終えてフェルスタッペンは、ピレリを含めた誰かを批判するつもりはないとした上で、エクストリームウェット・タイヤの性能向上が一つの解決策になり得るだろうと提案した。

「90年代から2000年代初頭にかけてのウェットレースが参考になるんじゃないかと思う」とフェルスタッペン。

「エクストリームウェットは兎に角、遅いし、排出できる水量も多くない。だから誰もがいつも早くインターミディエイトに履き替えようとするんだ。その方が遥かに速く走れるからね」

「見ての通り、今日も最初の数周でエクストリームからインターへの移行があった。履き替えた途端にラップタイムは5秒も速くなった」

「(インターとエクストリームとの差が)大き過ぎるよ。だから誰もエクストリームで走りたくないんだ」

「確かに赤旗が出た時の雨量だとエクストリームでもドライブするのは難しかっただろうと思うけど、20年前だったら全く問題ない雨量だった」

「何らかの方法を検討すべきだと思う。ウェットタイヤのテスト日数を増やしてね。たった2周でインターに履き替えるようなレースをウェットレースを呼ばなくて済むように」

「ウェットレースっていうのは一般的に大雨の中で行われるものなんだから」

フェルスタッペンは「数日のテストなら喜んでやるよ」と付け加えた。

ラックに積み上げられたピレリのエクストリームウェットタイヤ、2022年9月29日F1シンガポールGPCourtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

ラックに積み上げられたピレリのエクストリームウェットタイヤ、2022年9月29日F1シンガポールGP

ウェットレースの際の問題点としてシャルル・ルクレール(フェラーリ)は、18インチタイヤが導入された今季グランドエフェクトカーの視界性の悪さを指摘した。

「この世代のマシンの大きな問題は視界不良だ。隊列の後方にいる場合は特にそうだけど、水しぶきを最小限に抑える事ができるものであれば何であれかなり有益だと思う」

「と言うのも、コースコンディション的には走れても、視界が悪いためにレースができなくなってしまう状況が時々あるからね」

「後方にいると何も見えず、かなり危険な時があって、そういう場合は走行を続ける事ができない」

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