ロサイル・インターナショナル・サーキットに掲げられたピレリのトラックサイド広告、2023年10月5日(木) F1カタールGP
Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

F1カタールGP:2024年大会に向けロサイルのDRSゾーンを調整

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国際自動車連盟(FIA)は2024年のF1カタールGPを前に、メインストレート上のDRSゾーンに変更を加えた。この変更によりオーバーテイクの回数が減少する可能性がある。

全長5,419mのロサイル・インターナショナル・サーキットは、高速コーナーが連続するレイアウトを特徴としており、DRSゾーンはメインストレート(1,068m)に設置された1箇所のみだ。

ロサイル・インターナショナル・サーキット(F1カタールGP)のコースレイアウト図(2024年版)copyright Formula1 Data

ロサイル・インターナショナル・サーキット(F1カタールGP)のコースレイアウト図(2024年版)

DRS検知地点は昨年同様、ターン15の40m奥に設定されるが、2024年大会に向けてメインストレートでのDRS使用可能距離が175m短縮された。昨年は最終ターン16の130m先にアクティベーション・ポイントが設置されていたが、今年はターン16の305m先に移動された。

昨年のカタールGPでは、DRSを使用したオーバーテイクが35回、DRSを伴わない追い抜きが16回記録された。今回の変更が、レースでの追い抜きにどのような影響を与えるかが注目される。

昨年のカタールGPでは、50mmのピラミッド型縁石と高速のコースレイアウトが原因で、タイヤの構造に問題が発生した。既報の通り、この事態を受けてFIAとピレリは、2024年大会に向けてコース全体に広範な変更を施した

ターン1・2、4、10、そしてタイヤに最も大きな負荷をかけていたターン13〜14の各出口側縁石の先端は丸く削られ、高さが抑えられた。これにより、タイヤのサイドウォールに加わる損傷リスクが軽減された。同様の変更はターン12のエントリーおよび出口側の縁石にも加えられた。

また、ドライバーによる縁石の過度な使用を抑制するため、ターン1~5、12~15の出口側縁石の奥に、2メートル幅のグラベルトラップが新設された。

さらに、コーナー出口の白線も移動された。ターン1~5、13~15では、白線がグラベルトラップの1.5m手前に引き直され、ターン12のエントリーおよび出口についても同様の変更が行われた。

これらの対応には、トラックリミットの遵守をより厳格化しつつ、縁石の使用を抑制する狙いがある。

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