【数字で見るF1】2017年プレシーズンテスト1総合結果と詳細分析
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カタロニア・サーキットで行われた2017年プレシーズンテスト1が終了した。4日間に渡ったテストで見えてきたタイム、周回数、最高速度などのデータを拾い上げ、グラフを使いながら以下に分析していく。
総合タイムと使用タイヤ
カタロニア・サーキットのコースレコードは、2008年にフェラーリのキミ・ライコネンが叩き出した1分21秒670。エンジン出力が抑えられた状況にもかかわらず、早くもテスト1でメルセデスのバルテリ・ボッタスがこれを2秒近く塗り替えることになった。
昨年2016年のテスト1での最速は、フェラーリのセバスチャン・ベッテルが記録した1:22.810。昨年の最速タイムと比較してボッタスのタイムは実に3秒105も速い。
Pos | Driver | Team | Best Time | Tire |
---|---|---|---|---|
1 | ボッタス | メルセデス | 1:19.705 | Ultra Softs |
2 | ベッテル | フェラーリ | 1:19.952 | Softs |
3 | ライコネン | フェラーリ | 1:20.872 | Softs |
4 | ハミルトン | メルセデス | 1:20.983 | Super Softs |
5 | リカルド | レッドブル | 1:21.153 | Softs |
6 | パーマー | ルノー | 1:21.396 | Softs |
7 | フェルスタッペン | レッドブル | 1:21.769 | Softs |
8 | ヒュルケンベルグ | ルノー | 1:21.791 | Softs |
9 | エリクソン | ザウバー | 1:21.824 | Super Softs |
10 | マッサ | ウィリアムズ | 1:22.076 | Softs |
11 | グロージャン | ハース | 1:22.118 | Super Softs |
12 | マグヌッセン | ハース | 1:22.204 | Super Softs |
13 | ストロール | ウィリアムズ | 1:22.351 | Softs |
14 | ジョビナッツィ | ザウバー | 1:22.401 | Ultra Softs |
15 | オコン | フォース・インディア | 1:22.509 | Super Softs |
16 | ペレス | フォース・インディア | 1:22.534 | Super Softs |
17 | バンドーン | マクラーレン・ホンダ | 1:22.576 | Ultra Softs |
18 | アロンソ | マクラーレン・ホンダ | 1:22.598 | Ultra Softs |
19 | クビアト | トロ・ロッソ | 1:22.956 | Softs |
20 | サインツ | トロ・ロッソ | 1:23.540 | Mediums |
21 | セリス | フォース・インディア | 1:23.568 | Ultra Softs |
2017年マシンは昨年型に比べて1周あたり5秒速くなる、と言われていたが第一弾テストで既に3秒も速い。5秒というのは大袈裟でも何でもない極めて現実的な値であった事が分かる。
チーム別総周回数
4日間での各チームの総周回数をみていこう。圧巻はメルセデスの558周で総距離2598km。2位フェラーリの1.2倍、9位マクラーレン・ホンダの2.7倍の距離を走り込んだ計算だ。
Pos | Team | Lap(周) | Distance(km) |
---|---|---|---|
1 | メルセデス | 558 | 2598 |
2 | フェラーリ | 468 | 2178 |
3 | ザウバー | 349 | 1624 |
4 | ハース | 343 | 1596 |
5 | レッドブル | 295 | 1373 |
6 | ルノー | 293 | 1363 |
7 | フォース・インディア | 278 | 1294 |
8 | ウィリアムズ | 213 | 991 |
9 | マクラーレン・ホンダ | 208 | 968 |
10 | トロ・ロッソ | 183 | 851 |
テストでは主に2つの観点で走行が実施される。ひとつは、設計段階で予定していた通りのパフォーマンスが発揮できているか?想定した耐久性が確保できているか?などの検証的観点。そしてふたつめは、実戦に向けてのセッティング用データの収集、さらなるマシン開発のためのデータ収集などの改善的観点。まずは検証的観点のテストを実施し、その後改善的観点でのテストが実施されるのが一般的であろう。
メルセデスとフェラーリの2強?
総周回数から各チームがどちらの観点のテストまで実施できているかがおぼろげながら見えてくる。
改善的観点のテストまで実施できていると思われるのはメルセデスとフェラーリの2チーム。メルセデスはフルレースシミュレーションを何度か実施している。ザウバーとハースは検証的観点のテストが完了しているかもしれないと言ったところか。残りのチームはまだまだ検証段階にあるものと思われる。
少なくとも今年前半はメルセデスとフェラーリがかなり強そうだ。
パワーユニット別総周回数
意外にも(?)最も走行距離を稼いだのはフェラーリPU。メルセデスが電気系トラブルにより最終日の午前中のセッションを走れなかったことは確かに痛手であるが、先のチーム別周回数をみて明らかなように、総じてメルセデスPU勢よりもフェラーリPU勢のほうが走り込こんでいる。まぁ、ウィリアムズの新人ランス・ストロールのクラッシュも大きな要因であるわけだが。
Pos | Power Unit | Lap(周) | Distance(km) |
---|---|---|---|
1 | フェラーリ | 1160 | 5400 |
2 | メルセデス | 1049 | 4883 |
3 | ルノー | 770 | 3584 |
4 | ホンダ | 208 | 968 |
残念ながらホンダは初日と二日目をほとんど走れていないことに加えて、マクラーレン・ホンダしかホンダPUを積んできないため周回数が稼げないのがかなり痛い。複数チームへの供給ができていないデメリットが如実に現れていると言えよう。
チーム別最高速度
各チームとも、パワーユニットの出力を絞っての走行故に、絶対速度値はさほど意味を持たないが、最高速を見るのはいつだってエキサイティングだ。Top4の内3つがフェラーリPUというのは中々興味深い。
Pos | Team | Speed(km) |
---|---|---|
1 | ザウバー | 332.3 |
2 | ハース | 331.2 |
3 | レッドブル | 330.2 |
4 | フェラーリ | 328.2 |
5 | メルセデス | 327.2 |
6 | ウィリアムズ | 324.3 |
7 | ルノー | 324.3 |
8 | フォース・インディア | 321.4 |
9 | トロロッソ | 317.6 |
10 | マクラーレン・ホンダ | 314.8 |