レッドブル、フェルスタッペンの燃料漏れDNFはポーパシング起因…イモラに向けホンダ対処
レッドブル・レーシングのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコによると、F1第3戦オーストラリアGPでマックス・フェルスタッペンに降り掛かった燃料漏れトラブルの原因はポーパシングだ。振動により燃料ラインが破損した可能性があるという。
フェルスタッペンはレース終盤に向けてシャルル・ルクレール(フェラーリ)に次ぐ2番手を走行していたもののトラブルに見舞われ、開幕バーレーンに次ぐ今季2度目のリタイヤを余儀なくされた。不具合を起こしたパーツは調査・分析のために栃木県にあるホンダのファクトリー、HRD Sakuraへと送られた。
小さな炎が上がりマーシャルによる消火活動が行われたが、幸いにもレッドブル・パワートレインズ(ホンダ)製エンジンに損傷はなく、チームは第4戦エミリア・ロマーニャGP以降も同じ個体を使用し続ける計画だ。
マルコはオーストリア放送協会とのインタビューの中で「エンジンは全く問題ない」として、ホンダからの情報としてイモラでの次戦までに対策が講じられる見通しだと明かした。
トラブルの原因ついては、E10燃料が新たに導入された事から金属の腐食や樹脂の膨潤が真っ先に疑われるところだが、これは既知の問題で、特にアルコール燃料の導入で先行するインディカーでの経験豊富なホンダが初歩的な失態を犯すとは考えにくく、実際マルコはレース後、問題を特定したと明かしながらも「非常に複雑」な問題だと説明していた。
もう一台のRB18をドライブしていたセルジオ・ペレスが完走した事から、元F1ドライバーのマルク・スレールはFormel1とのインタビューの中で「単に組み立てが”ずさん”だったのかもしれない」と述べ、レッドブルによるいい加減な作業が原因である可能性に言及していたが、実際には空力的なバウンシングがトリガーとなったようだ。
マルコは「高圧燃料ラインの破裂が(リタイヤの)原因だ。おそらくバウンシングによるものだろう」と説明した。なるほど、ポーパシングが原因だとすれば「非常に複雑な問題」である事の合点がいく。
レッドブルRB18のポーパシングはメルセデスやフェラーリより軽微であり、ライバルと比較すれば十分に制御できているように見えるものの、マルコは「まだ若干動きがある」として「これが燃料パイプの損傷の主な原因だと考えている」と付け加えた。
イモラ以降も同様のトラブルが発生しない事を祈るばかりだが、ポーパシングが原因であるとするならば、燃料ラインの補強といった形でのホンダ側の対策のみで再発を完全に防止できるのかどうかは不透明だ。
なおペレスはアルバート・パーク・サーキットでのレースで無事に2位表彰台に上がったが、フェルスタッペンとは異なるセットアップだったと仄めかしている事から、これが同様のアクシデントに見舞われずに済んだ一因である可能性もありそうだ。