転換点か…ノリス、支配的な23秒差で2勝目!フェルスタッペン完敗。角田裕毅は最多後退 / F1オランダGP 2024《決勝》結果と詳報
2024シーズンのFIA-F1世界選手権第15戦オランダGPの決勝レースが現地8月25日にザントフォールト・サーキットで行われ、ランド・ノリス(マクラーレン)が圧巻のポール・トゥ・ウインで今季2勝目を飾った。角田裕毅(RB)は最多6ポジションダウンの17位に終わった。
無敗記録潰えたフェルスタッペン
マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は1周目、スタートの蹴り出しでまたも遅れを取ったノリスを交わし、4周目にはDRS圏外に追いやったが、この日のRB20にリードを守り抜くだけのペースはなかった。
ノリスはキャリア通算4回のポール全てで1周目にポジションを落とすこととなったが、18周目のターン1でリードを取り戻すと、その後は圧倒的なペースで後続を引き離していった。
そして極めつけには、45周を走り込み使い古したハードタイヤで最終ラップにファステストを刻んで1ポイントを追加し、22.896秒という今季最大のギャップを築いてトップチェッカーを受けたると、タイトル争いにおけるフェルスタッペンとの差を70ポイントに縮めた。
LAP 18/72
Norris applies even more pressure and Verstappen has to yield
Lando dives down the inside around Turn 1 and now leads!! #F1 #DutchGP pic.twitter.com/nontaRfqWv
— Formula 1 (@F1) August 25, 2024
2021年のカレンダー復帰以来、母国オランダでポールと優勝を重ね続け、無敗を誇っていたフェルスタッペンは2位フィニッシュを経て「良いスタートを切ってできる限りを尽くしたけど、十分な速さがなかったことは明らかで、今日は自分のレースに集中して2位を目指した」と振り返った。
時代のターニングポイントとなるのだろうか。オランダでアップグレードされたMCL38は予選のみならずレースでも他を圧倒した。それは支配的な強さを誇ったかつてのレッドブルとフェルスタッペンを彷彿とさせるものだった。
「最高の気分だ。またもや1周目のせいで完璧なレースとはならなかったけど、それでも美しいレースだった。ペースは力強く、クルマは信じられないほどだった」とノリスは笑顔を見せた。
立て直したQ2敗退組、驚きを誘ったフェラーリ
カルロス・サインツがQ2敗退を喫するなど、週末を通して後手に回っていたフェラーリだが、6番グリッドのシャルル・ルクレールは先行ピットストップによるアンダーカットを成功させ、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)からの執拗な攻撃を最後まで退けて、自身も驚きの逆転3位表彰台に上がった。
技術規定違反に伴うアレックス・アルボン(ウィリアムズ)の失格を受け10番グリッドに着いたサインツは、好ペースを刻んでセルジオ・ペレス(レッドブル)から5位の座を奪い、面目躍如を果たした。
ジョージ・ラッセル(メルセデス)は残り20周を切ったところで5番手を走行していたものの、想定外のデグにより、ソフトタイヤに履き替えて2ストッパーに移行することを余儀なくされ、ペレスとサインツに明け渡したポジションの奪還に向けて邁進したが及ばず、7位に終わった。最初のピットストップで右フロントの交換に手間取って3.4秒を要したのも響いた。
ラッセルの僚友ルイス・ハミルトンは同じくQ2敗退を喫したサインツ同様、見事な巻き返しのレースを戦い、最多6ポジションアップの8位フィニッシュを果たした。9位にはピエール・ガスリー(アルピーヌ)が続いた。
フェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)は残り9周、最終的にハードタイヤで最多57周もの周回を重ねたニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)を交わして10位でフィニッシュし、入賞圏内最後の一枠に滑り込んだ。
角田裕毅、出だしで躓き戦略で困難なレースに
11番グリッドに着いた角田裕毅はヘルムート・マルコの激励を受けポイント獲得を目指したが、スタートタイヤに選んだソフトの優位性を活かせず、1周目にヒュルケンベルグ、続く2周目にハミルトンにポジションを奪われ後退した。路面温度は比較的低く、タイヤのスイッチを入れることができなかったのかもしれない。
スタートで後手に回った形勢を立て直すことはできなかった。ピアストリとガスリーがミディアムスタート勢最長のスティントを終えたのと同じ33周目に2回目のピットストップを行いハードタイヤに交換すると、最終スティントでは、10周フレッシュなタイヤを履きながらもローガン・サージェント(ウィリアムズ)を攻略できず仕舞いに終わり、誰よりも多い6ポジションダウンの17位と厳しい結果に終わった。
角田裕毅を2ストッパーとした戦略について、チーム代表を務めるローラン・メキーズは「少しリスク」のあるものだったと認め、「それは上手くいかず、彼はレースの大半をトラフィックの中で過ごすことになった」と付け加えた。
また、テクニカル・ディレクターを務めるジョディ・エギントンは「ユーキの戦略は我々の期待通りに進まず、それが彼のレースを難しくした」と振り返り、「今週末は多くを検証しなければならない」と続けた。
ケビン・マグヌッセンはクルマに変更を加えてパワーユニットを交換し、パルクフェルメ違反によりピットレーンからスタートした。週末を通してハースVF-24が抱えたブレーキの問題は依然、健在だったようで、8周目のターン1でグラベルに飛び出した。
41周目のメインストレートにはF1らしからぬ光景が広がった。ハードタイヤを履いてスタートした唯一のドライバー、マグヌッセンが先頭を走る集団がグランドスタンド前を通過すると、後続の4台が一斉に襲いかかり、マグヌッセンは僅か数百メートルで4ポジションを失い、最終的には18位でレースを終えた。
LAP 42/72
Well, this is tasty 😋
Albon leads a five-car charge towards Turn 1 😮#F1 #DutchGP pic.twitter.com/kUxqKSXM6h
— Formula 1 (@F1) August 25, 2024
クラッシュやトラブルはなくクリーンなレースとなったが、ランス・ストロール(アストンマーチン)はピットレーンの速度制限違反により5秒ペナルティを受け13位でクルマを降りた。
2024年F1第15戦オランダGP決勝リザルト
Pos | No | Driver | Team | Laps | Time | PTS |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 4 | ノリス | マクラーレン | 72 | 1:30:45.519 | 26 |
2 | 1 | フェルスタッペン | レッドブル | 72 | +22.896s | 18 |
3 | 16 | ルクレール | フェラーリ | 72 | +25.439s | 15 |
4 | 81 | ピアストリ | マクラーレン | 72 | +27.337s | 12 |
5 | 55 | サインツ | フェラーリ | 72 | +32.137s | 10 |
6 | 11 | ペレス | レッドブル | 72 | +39.542s | 8 |
7 | 63 | ラッセル | メルセデス | 72 | +44.617s | 6 |
8 | 44 | ハミルトン | メルセデス | 72 | +49.599s | 4 |
9 | 10 | ガスリー | アルピーヌ | 71 | +1 lap | 2 |
10 | 14 | アロンソ | アストンマーチン | 71 | +1 lap | 1 |
11 | 27 | ヒュルケンベルグ | ハース | 71 | +1 lap | 0 |
12 | 3 | リカルド | RB ホンダRBPT | 71 | +1 lap | 0 |
13 | 18 | ストロール | アストンマーチン | 71 | +1 lap | 0 |
14 | 23 | アルボン | ウィリアムズ | 71 | +1 lap | 0 |
15 | 31 | オコン | アルピーヌ | 71 | +1 lap | 0 |
16 | 2 | サージェント | ウィリアムズ | 71 | +1 lap | 0 |
17 | 22 | 角田裕毅 | RB ホンダRBPT | 71 | +1 lap | 0 |
18 | 20 | マグヌッセン | ハース | 71 | +1 lap | 0 |
19 | 77 | ボッタス | ザウバー | 70 | +2 laps | 0 |
20 | 24 | 周冠宇 | ザウバー | 70 | +2 laps | 0 |
コンディション
天気 | 晴れ |
---|---|
気温 | 18℃ |
路面温度 | 29℃ |
周回数 | 72 |
セッション概要
グランプリ名 | F1オランダGP |
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レース種別 | 決勝 |
レース開始日時 |
サーキット
名称 | ザントフォールト・サーキット |
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設立 | 1948年 |
全長 | 4307m |
コーナー数 | 14 |
周回方向 | 時計回り |