1996年のF1最終日本GPで優勝しタイトル獲得を決めたウィリアムズのデーモン・ヒルと2位表彰台のフェラーリのミハエル・シューマッハ
Courtesy Of LAT Photographic

Netflix、7度のF1王者ミハエル・シューマッハを描く新作ドキュメンタリー「Schumacher」発表

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Netflixは7度のF1ワールドチャンピオン、ミハエル・シューマッハを描く新作ドキュメンタリー映画「SCHUMACHER」を今秋放映する。日本での公開は未定だが、英国ではベルギーでのF1デビューから数えて30年目にあたる2021年9月15日に公開が予定される。

2013年のスキー事故での大怪我以降、現在も自宅療養を続けるシューマッハの容態は明らかにされていないが、この作品はシューマッハ家の全面協力のもと、貴重なインタビューと未公開秘蔵映像を交えながら、7度の世界チャンピオンに輝いた伝説的F1ドライバーのデリケートかつ際どい真の姿に迫る。

若き日のミハエル・シューマッハ、1991年スペインGPにてCourtesy Of Netflix

若き日のミハエル・シューマッハ、1991年スペインGPにて

コンテンツの中心となるのは両親、幼少からの恋人でもある妻のコリーナ、ジーナとミックという2人の子供達、そしてかつてのライバルや仲間たちのインタビューで、ケルペンでのカート走行から始まり、2004年の7回目のタイトル獲得に至るまでのシューマッハの半生を描き出す。

現時点では弟のラルフや、フェラーリ時代のボス、ルカ・ディ・モンテゼーモロ、ジャン・トッドFIA会長、F1の元総帥バーニー・エクレストンに加えて、ミカ・ハッキネンやセバスチャン・ベッテル、デビッド・クルサードらの登場が確認されている。

本作は過酷かつ危険なF1の世界に彗星のごとく現れたシューマッハが持つ複雑な背景をあらゆる角度から追究する。強い意思と困難もいとわず勝ちにこだわるその姿勢は世界中のファンを魅了した。だが私生活を明かさないそんな男の成功の裏には、レーシングドライバーとは別の顔があった。

人としてのシューマッハを成すものは、ファイティングスピリットと完璧主義だけでなく、自分自身への疑いとさまざまな不安を抱える繊細で傷つきやすい一面だった。

シューマッハの長年のプレス担当兼マネージャーであるサビーネ・ケムは本作発表に際して次のコメントを寄せた。

「ミハエルはレーシングドライバーのプロフェッショナルなイメージを再定義して新たな基準を打ち立てました。完璧さを追求するために、彼は自分自身だけでなくチームを偉大なる成功に向けて駆り立て続けました。彼のリーダーシップは世界中で賞賛されています」

「彼は仕事で強さを発揮する事と、愛する家族と過ごす事のバランスを見つけました。プライベートを力の源とするために、彼は常に厳密に、そして一貫してプライベートとパブリックライフを分けてきました」

「この映画はその両方の世界を描くもので、愛する夫と父に対する家族からの贈り物なのです」

本作はドイツ・テニス界の黄金時代を築いたスター、ボリス・ベッカーのドキュメンタリーを手がけた事でも知られるベンジャミン・セイケルとヴァネッサ・ノッカーが各々プロデューサーと監督を務める。