ホンダF1の田辺豊治テクニカルディレクター、2018年F1中国GPにて
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ホンダF1、合同テストで得たエンジン設定の知見を投入し予選リザルトに照準

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ホンダF1の現場統括責任者である田辺豊治テクニカル・ディレクターは、モナコGPでは予選に照準を合わせたパワーユニットのセッティングが重要だとの認識を示し、先週のバルセロナテストで得たエネルギーマネジメントのノウハウを投入する予定であると明かした。

ホンダは第5戦スペインGP後に開催された2日間のテストにピエール・ガスリーとショーン・ゲラエルを起用。ハイブリッドシステムを含めたパワーユニット全体のエネルギーマネジメントの熟成に取り組んでいた。

トロロッソ・ホンダのブレンドン・ハートレーをはじめとして数多くのF1ドライバーが住まいを設ける世界一有名な市街地コースは、ファンにとってもチームにとっても文字通りの特別な週末となる。

接触すればマシンダメージの避けられないガードレール、ほんの数mmのラインのズレがドライバーをクラッシュに追いやるタイトなコーナー。直近6年のグランプリにおけるセーフティカー出動率は100%。一切のミスが許されない。

今季よりホンダF1プロジェクトに加入した田辺にとっては、モナコGPも然ることながら同じ週末に行われるインディ500の行方が気になる所。田辺は昨年まで米インディカーを担当、佐藤琢磨と共に第101回大会優勝の快挙を達成した。102回目のインディアナポリス500マイルレースは、モナコGP決勝終了後に開催される。

F1モナコGPに向けて

田辺 豊治ホンダF1現場責任者

伝統のモナコグランプリは、狭い公道を走るレースはもちろん、サーキット外の華やかな雰囲気やさまざまなイベントも含め、年間のカレンダーの中ではスペシャルかつユニークなレースの一つです。

モナコ市街地に設定されたコースには多くの低速コーナーがあり、車体性能とともに、そこでのPUのドライバビリティーがラップタイムに大きな影響を与えます。したがって、普段はあまり使用しないような低回転域でのPUセッティングがキーになります。

また、レースでのオーバーテイクが難しいため、エネルギーマネジメントについては予選で結果を残すことにフォーカスしてセッティングを進めます。先週のバルセロナテストでは、PUの各コンポーネント間でのエネルギーバランスの最適化にトライしてきましたが、そこで得たいくつかのアイデアをモナコでも使用できるのではと考えています。

言うまでもなく、今週末に行われるF1モナコグランプリとインディ500という2つのイベントは、それぞれ世界で最も有名なレースの一つです。そして当然、今年の私はF1に集中しなければなりません。とは言え、日曜の夜には佐藤琢磨選手が昨年の歴史的な勝利を再現できるかが気になって、やはりインディ500を見てしまう気がしています。


2018年第6戦F1モナコGPは、日本時間5月24日(木)19時から始まるFP1で幕を開ける。他のグランプリとは異なり、初日フリー走行は木曜日の開催となるため注意されたい。舞台となるのはモンテカルロ市街地コース。

昨年のレースはフェラーリが強さを示し、キミ・ライコネンがポール、セバスチャン・ベッテルが2番手がスタート。不運なタイミングでのピットストップのために順位が入れ替わり、ベッテルが優勝、ライコネンが2位、3位表彰台にダニエル・リカルドが滑り込んだ。

F1モナコGP特集