ピエール・ガスリー「予選は好きだけどレースはちょっと苦痛」
伝統のモンテカルロ市街地コースでのレースに先立って、トロロッソ・ホンダのピエール・ガスリーが抱負を語った。GP2やフォーミュラ・ルノー3.5時代に何度か走行経験はあるものの、F1マシンでモナコを走るのは今回が初めてとなる。
F1モナコGPに向けて
ピエール・ガスリー
実際のところ、ジュニア・フォーミュラ時代のモナコでのレースで運が良かったことは一度もないんだよね。毎回狂ったようなレースばかりだったし、悪い狐が憑いてるんじゃないかって感じだった。コース自体は好きだから、今年はその流れを変えたいね。
モナコでの予選はシーズンの中でも最もエキサイティングな瞬間だよ。速さを追求しながらも、壁から10cmのところを時速300kmで駆け抜けなきゃならないからね。ブレーキングで1m遅れてしまうと1m以上奥にいってしまうか、もしくはワイドに膨らんでそのまま突っ込んじゃうんだよ。そうなると壁の餌食になっちゃうからミスは一切許されないんだ。
モナコでの予選は大好きだけどレースはちょっと苦痛なんだ。オーバーテイクが難しいから、順位を上げるためのチャンスは戦略次第ってところがあるし、最後まで集中力を絶やさないようにしなきゃならないからね。何も状況は変わらないだろうなって思っても、接近した状況で誰かがミスをすればチャンスが訪れるから、そうなった時に備えておく必要があるんだ。
自分よりも遥かに遅いマシンをオーバーテイクするのだって簡単じゃないから、ストレスが溜まることもある。前のドライバーがポジションを守るために素晴らしい仕事をしようものなら、本当に厄介だよ。ここではドライバーの腕が試されるとか言うけど、コース特性や路面のバンプを考えればマシンの性能が重要である事に変わりはないよ。でも、優れたドライバーがコンマ数秒を見つけ出すって事も事実だ。
徐々にではあるけど、路面は週末を通して改善するから慌てず注意深くセッションを進めていく事が大事なんだ。土曜の午後に一番速い状態にもっていければ良いんだからね。
本当にクレイジーなトラックだよ。日曜日には時速300kmでマシンが駆け抜けているのに、レースが終わった後の月曜日には、みんなが時速50kmにも満たないような速度で走ってるんだから。つまり、ここの道はそもそもF1マシンが走るようなスピードに対応できるように作ってあるわけじゃないんだよ。そうは言ってもこのコースが大好きだし、アドレナリンが出ちゃうよね。
モナコGPはレース以外のイベントも盛んだけど、僕は上手くオンオフを切り替えられるよ。多くの観客が見に来てくれるし、港にはたくさんのヨットが停泊していたりしてモナコの雰囲気は特別だよね。誰にとっても素晴らしく楽しい時間になるし、僕も大好きだよ。ドライバーにとっては、日曜に良い結果を得られれば余計に楽しいしね。
僕らフランス人ドライバーにとっては長年モナコがホームレースみたいなものだったけど、今年はポール・リカールがカレンダー入りしているから、今回のモナコGPは第二の母国レースだね。
2018年第6戦F1モナコGPは、日本時間5月24日(木)19時から始まるFP1で幕を開ける。他のグランプリとは異なり、初日フリー走行は木曜日の開催となるため注意されたい。舞台となるのはモンテカルロ市街地コース。
昨年のレースはフェラーリが強さを示し、キミ・ライコネンがポール、セバスチャン・ベッテルが2番手がスタート。不運なタイミングでのピットストップのために順位が入れ替わり、ベッテルが優勝、ライコネンが2位、3位表彰台にダニエル・リカルドが滑り込んだ。