アルファタウリ・ホンダ、角田裕毅を激励「モナコGPでの経験は今後の糧になるはず」
アルファタウリ・ホンダのフランツ・トスト代表は、世界屈指の難コースであるモンテカルロ市街地コースでの走行経験は角田裕毅にとって今後の糧になると考えている。
セッション中に計量ブリッジに呼ばれてしまった事で、土曜の予選では1000分の18秒及ばず僅差でのQ1敗退を喫した。モナコは予選順位が決定的に重要であるため、チームも角田裕毅本人も難しいレースになる事を覚悟していた。
そこで決勝レースでは、ライバルが絶対に選ばないであろうハードタイヤをチョイスする賭けに出たものの、コンパウンドのグリップ不足ゆえか、1周目にフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)とニコラス・ラティフィ(ウィリアムズ)に交わされポジションを2つ落とした。
その後、バルテリ・ボッタス(メルセデス)のリタイヤによって一つ順位を回復したものの、最後までこの2ポジション分を挽回する事はできず、角田裕毅にとってはスタート直後にレースが決する形となり16位完走で週末を終えた。
フランツ・トストは決勝を終えて「ユーキにとっては初めてのモナコでのレースだった」と週末を振り返った。
「モナコは無論、F1マシンで走って学ぶには本当に難しいコースだが、FP1で非常に良いパフォーマンスを見せた後、FP2ではちょっとしたアクシデントに見舞われながらも、土曜午前のセッションではコースに対する自信を深めていた」
「だが、予選では計測ブリッジに呼ばれてしまった事でタイムを失い、結果として1周分走行のチャンスを失ったため僅差でQ2を逃す難しいセッションになってしまった」
「ただ今日はクリーンにレースを戦ってくれたし、モナコで積んだ多くの経験は今後の糧になるはずだ」
コロナ渦の影響でテスト日数が削減され、シャシーが昨年型からの持ち越しとなるなど、今季は新人にとって中々にハードなシーズンと言える。
それは移籍組が軒並み苦戦を強いられている事からも明らかで、モナコでの16位という結果は決して良いわけではないが、悪夢という事もない。
きっちりと完走を果たしてマイレージを重ね、クルマへの理解を深めて経験を積むことは今後の活躍に向けての必須条件と言える。
テクニカルディレクターを務めるジョディ・エギントンもまた、フランツ・トストに同意する。
「予選ポジション的に、トラフィックに大きく左右されるようなレースになる事が明らかだったため、戦略面で打開できればと思っていたが、かなり単調な展開でやれる事が限られてしまった」
「とは言えクリーンなレースを戦ってくれたし、今後の活躍につながる経験を積んでくれた事と思う」
角田裕毅は予選パフォーマンスの改善を課題に掲げており、ポイント獲得を目標に次戦アゼルバイジャンGPに挑むという。