ハミルトン「耳を貸さなかった」とメルセデス批判、W14の開発を巡り…来季以降の去就如何に
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ルイス・ハミルトンによれば、2023年型F1マシン「W14」の開発を巡りメルセデスは7度のF1ワールドチャンピオンの声に「耳を貸さなかった」という。未だ更新されていない契約を巡り、様々な憶測が飛び交うのは必至だ。
レッドブル及びフェラーリに敗北を喫した昨年を経てなおメルセデスは、自らが歩んできたマシン開発の方向性に固執。W14に”ゼロポッド”と呼ばれるエアロコンセプトを継承した。
だが、シーズン初戦のバーレーンGPでは先のトップ2チームはおろか、予選・決勝ともにアストンマーチンにも完敗。ハミルトンは5位に終わった。
レース後、BBCのポッドキャストに出演したハミルトンは「昨年、彼らに言ったことがあるんだ。このクルマに関する問題点についてね」と切り出し、チームに対して珍しく批判的な立場を採った。
「僕はこれまで数多くのクルマに乗ってきた。クルマが求めているもの、そうでないものについては分かってる」
「説明責任の問題だと思う。自分の責任を認めて『我々はあなたの言うことを聞かなかった。それは必要なものではなかったんだ』って言うべきところだ」
メルセデスのトト・ウォルフ代表は先日、先代の空力哲学を継承した事は誤りだったとして、抜本的な方向転換が必要だと認めた。
ハミルトンは「それでも僕らはマルチ・ワールドチャンピオンだ。そうでしょ? 今は上手くいっておらず、昨年もそうだったけど、だからといってこの先も上手くいかないという事にはならない」と付け加えた。
マックス・フェルスタッペンが支配的なパフォーマンスを発揮して選手権を勝ち取ったグランドエフェクトカー初年度を経て、ライバルの大部分は2023年に向けて、レッドブルが開拓した設計哲学を取り入れてきた。
昨年、ランキング7位に終わったアストンマーチンは冬の間に車体を大幅変更。レッドブルに似通った外観の「AMR23」は開幕バーレーンGPで2番目に速いマシンとなった。
メルセデスは5月上旬のマイアミGP、あるいはエミリア・ロマーニャGPで改良型サイドポッドを投入する事を計画しているが、予算・テスト制限が課されているためシーズン中に打てる手は限られており、大幅変更は来年を待つ必要がある。ただ、それが上手く機能するかは分からない。
チームに対する批判的な指摘、そしてメルセデスのトップ争い復帰の見通しが立たなくなった事で、両者の関係、およびその将来についてこれまで以上に様々な憶測が飛び交う事は避けられないだろう。
ハミルトンはまだ、メルセデスとの間で2023年以降の契約を結んでいない。