FIA-F2選手権に参戦するザウバー・ジュニアチームのファン・マヌエル・コレア
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ファン・マヌエル・コレア、生命維持装置が取り外されるも 足の怪我が深刻…時間との戦い続く

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FIA-F2選手権のレース中に事故に遭ったファン・マヌエル・コレアは、生命維持のために体外式膜型人工肺(ECMO)の使用を余儀なくされていたが、9月20日現在、装置は取り外され、誘発的昏睡状態からも開放された。

ファン・マヌエル・コレアの家族が20日に発表した声明によると、医学的には「危篤」から「重篤」へと状態が変化したとの事で、肺機能の回復が進んでいる事を示しているが、一刻も早く右足の手術に取り掛かる必要があり、依然として時間の猶予はない。

アメリカ国籍を持つ20歳のレーシングドライバーは、ベルギーのレース中に発生したクラッシュに巻き込まれ、両足の骨折と軽度の脊椎損傷を負った。地元リエージュ大学病院で緊急手術を受けた後、専門治療のために英国に飛んだものの容態が悪化。合併症に見舞われ、急性呼吸不全に陥っていた。

現在のファン・マヌエル・コレアは、意識はあるものの完全に覚醒した状態ではなく、医師の報告によると、昏睡状態が2週間以上続いたために、覚醒には数日がかかる見通しとなっている。また、容態は決して芳しくはなく、依然として重体で、集中治療室での治療が続けられている。

肺機能が最悪の時を脱して回復しつつあることから、現在の医学的最優先事項は足の怪我に移ることとなった。スパ・フランコルシャンでの事故当日に施された緊急処置以降、足に関しては処置が出来ず手当がなされていない状態が続いている。

取り返しのつかないリスクの発生を最小限に抑えるために、医師たちは早急に右下肢の大手術を実施したい考えだが、肺が長時間の手術に耐えられる状態ではなく、時間との戦いが続いている。

ファン・マヌエル・コレアと同じく事故に見舞われたアントワーヌ・ユベールは、事故発生から1時間半後に死亡が確認され、9月10日にフランスのシャルトル大聖堂で葬儀が行われた。